カイロ爆発事件、テロともガザとも関係なし?
2009年02月24日付 Al-Ahram 紙

■組織でも集団でもなく、単に混乱した惑える者たちによる犯行

2009年02月24日付アル・アハラーム紙(エジプト)HPレポート面

【本紙:ジャマール・アル・クシュキー記者】

カイロ・アズハル地区で起きた〔22日夜の爆発〕事件は、テロの再来なのか? フセイン広場 で起こったことは作戦行動なのか、それとも単発の事件 なのか? イスラーム主義組織はこの件にどう関わっているのか? 90年代のエジプトが経験した 出来事と今回の出来事との間に関係はあるのか? 実行の方法からして、この爆発事件の様々な次元のように解釈するべきなのか?

はじめに、あらゆる指標や専門家の分析によって、今回の事件は組織立った作戦行動ではなく、組織的だといえるような専門性はまったく 見受けられないことが確認されている。また、実行方法は初歩的で、もし暴力とのつながりで知られる有名な組織が事件の背後にあったならば、被害ははるかに大きかっただろうとされる。イスラーム主義の諸組織が90年代のエジプトで起きたようなテロ作戦と決別し、暴力停止に向けた総括と提案を堅く遵守していることは、テロ問題に詳しい者にとっては様々な指標や証拠から確かなことだ。

今回の爆発事件と同じ地区で起こったその他の爆発事件、とりわけ2005年4月の爆発とを結びつける分析は可能である。事件の裏を 読もうとする者にとっては、この手の事件の犯人たちを「自身の置かれた生活環境の中で道を見失った若者達の世代」、あるいは「惑える者たち」と名付けることが出来るだろう。イスラーム主義組織の専門家ディヤーウ・ラシュワーン氏は、日曜の夜にフセイン広場で起こった事件は2005年4月のハーン・ハリーリーでの爆発事件の延長線上にあり、二つの事件 の犯人の間には、個人的・心情的つながりがあるかもしれないと分析する。だが、ラシュワーン氏の分析は、これは新たなテロ組織ではないし、いわゆるテロ現象と呼べるような組織だった積み重ねもないと断定している。

また、2005年の事件と2009年の事件の犯人たちを「組織」と呼ぶこともできない。そうであったなら、この4年の間に成長し、より専門的な組織的方法を採用していたことだろう。

一方、今回の爆発事件とガザでの事態を結びつける意見があることについて、ラシュワーン氏は「爆発事件とガザで起きていることとの間に関係はない」と、関連を強く否定し、「2005年4月の事件の際には、ガザの問題などどこにあっただろうか?」と問いかけ、「ガザでの事態はなかったのに爆発事件は起きた。二つの事件に結びつきはないと考えるべき点だ。それにもし事件がガザと関係していたなら、それへの反応であることが明らかな真実味のあるメッセージとして、アメリカやエジプト政府の公的な施設などを標的にしただろう」と続けた。

(後略)

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:15885 )