サウジ国内のシーア派と宗教警察が預言者モスクで衝突
2009年02月25日付 al-Quds al-Arabi 紙

■メディナでの衝突を受け 、サウジアラビアのシーア派が憤激

2009年02月25日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ロンドン:本紙】

ここ3日間、サウジアラビアでは、シーア派巡礼者たちとメディナの勧善懲悪委員会(訳注:イスラームの教義に反する行為を取り締まる政府機関、いわゆる「宗教警察」)との間で衝突が起きている。

シーア派のサウジアラビア人 数百人が先週金曜日の晩、サウジアラビア西部に位置する聖都メディナの預言者モスク入り口付近で、「シーア派は差別されている」として、政府に反対するスローガンを繰り返した。そのわずか一週間前に は、王国の根本的な組織改革が発表されたばかりだった。

シーア派の情報筋と治安筋は、昨日火曜日、メディアでの衝突以降、サウジアラビア当局が少なくとも9人のシーア派信者を逮捕したと語った。

サウジアラビアは、自国がイスラームの主流派であるスンナ派の盟主だと自負しており、同地域でシーア派イランの影響力が大きくなっていることに懸念を抱いている。

サウジアラビアの少数派であるシーア派の間で著名な人物、ジャアファル・アル=シャーイブ氏は、「預言者モスクを訪れたシーア派巡礼者と勧善懲悪委員会の部隊との衝突は、預言者ムハンマドの墓をいだく預言者モスクから程近い場所で起きた。シーア派およそ1500人が、預言者ムハンマドを追悼するためにモスク付近に集まっていたところ、警察隊に援護された私服 の勧善懲悪委員会の男たちに、棒で追い散らされた」と語る。

内務省治安問題担当のマンスール・アル=トゥルキー報道官は、「この件は、巡礼者と礼拝者との間の騒動によるもので、現在、動機や原因を調査している」と語った上で、この衝突がシーア派と勧善懲悪委員会の部隊との間で起きたものであると確認することを拒絶した。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:15907 )