イランがバハレーンと関係改善努力、イラク・シリア・トルコとの4ヶ国協力体制にも意欲
2009年02月28日付 Al-Nahar 紙

■ アフマディーネジャード大統領がイラン・イラク・トルコ・シリアの相互協力を呼びかけ

2009年2月28日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【AFP、ロイター、MENA、UP、AP】

 昨日テヘランでは外交面で活発な動きが見られた。バハレーンのハーリド・ブン・アフマド・ブン・ムハンマド・アール・ハリーファ外相が同国のハマド・ブン・イーサー・アール・ハリーファ国王からの両国間の友好を確認する書簡を携えてテヘランを訪問したのである。この数日前にはイランのサーディク・マフスーリー内相がマナーマを訪問しており、その背景にはバハレーンをイラン領土の一部とみなす発言が出た問題がある。また、イラクのジャラール・タラバーニー大統領もテヘランを訪問し、イランのマフムード・アフマディーネジャド大統領から、地域の安全保障のためにイラン・イラク・トルコ・シリアの4ヶ国の政府の協力を呼びかけられた。シリアのムハンマド・ナージー・アトゥリー首相も二国間協力のための上級合同委員会の会合に参加するためテヘランに滞在している。

■ バハレーン

 イランのマヌーチェフル・モッタキ外相はハーリド外相との共同記者会見で、「我々はペルシア湾岸の全ての国、特にバハレーンとの関係を強化し深化させることを目指している。バハレーンと我々の繋がりは強く深く、いかなる口実によっても傷つくことはなく、互いへの尊敬の上に成り立っている」と発言した。さらに、アフマディーネジャード大統領がハマド国王と強固な関係で結ばれており、「イラン政府はサーディク・マフスーリー内相のマナーマ訪問によって両国間の緊張を終結させるべく努め、これに対してバハレーンは自国外相のイラン訪問をもって応えた」と述べた。

 イラン国営テレビは 、イラン政府がバハレーン政府との「深く強固な」関係を維持することを望んでいる、と放送し、「モッタキ外相とハーリド外相はテヘランでの会談の後、隣国同士の外交上の対立は終わったと言及した」と伝えた。

 火曜日にバハレーンのメディアが伝えたところによれば、公益判別評議会の重要メンバーでありイスラーム革命最高指導者アーヤトッラー・アリー・ハーメネイーの事務所の責任者でもあるアリー・アクバル・ナーテグヌーリー師の発言の後、アフマディーネジャード大統領は[緊張した両国間の]雰囲気を和らげるためにバハレーンの国王へ書簡を送ったという。

 バハレーンのハーリド外相は、自分がハマド国王からの「善意」のメッセージをイラン大統領へ伝えたことを説明し、このメッセージは「兄弟から兄弟へ宛てた、イランとバハレーンの間にある互いへの尊敬を表明する」ものであり、「両国の深い関係を傷つけたいとの悪意を持つ人々全てに対する返答」である、と述べた。また、バハレーンが引き続きイランとの「良き隣人関係」を樹立し「良好な関係」を構築していくことを強調し、「こうした関係の構築を望まない者」には両国の問題に関わらないでほしいと要請した。

 イランのモッタキ外相は、ハーリド外相との協議では県議会選挙後のイラク情勢やアフガニスタン情勢やパレスチナ問題など地域の諸問題が取り上げられた、と説明した。

■ タラバーニー・イラク大統領

 アフマディーネジャード大統領はイラクのタラバーニー大統領を迎えた。イランの「メフル」通信社は、両大統領の協議では様々な分野における両国間の関係と相互協力の包括的な発展の重要性が強調された、と伝えた。両大統領は両国の可能性に言及し、政治・文化・軍事・安全保障・高等教育・エネルギー・通商・住宅・通信の分野で関係強化の余地があるとの認識を示した。

 アフマディーネジャード大統領は、現在の世界情勢に鑑み、同地域の諸国間で経済を含む様々な分野における協力関係を発展させようと呼びかけ、イラン・イラク・トルコ・シリアの4ヶ国が協力し合うことが「非常に重要であり、恒久的安全保障の基礎となり同胞関係の強化につながる」との見解を述べた。また、イラクとの「同胞」関係が「日々発展している」ことを強調し、イラク国民が「安定、治安、発展に重要な措置を次々に」講じていることを指摘した。さらに、イランの様々な分野における経験を「友であり兄弟であるイラクの政府と国民に自由に利用してもらってよい」との姿勢を見せ、イランはイラクの早急な発展のために限りない支援を行う」と述べた。

 タラバーニー大統領は、全ての可能性が「最大限まで関係を発展させるために開かれており、関係発展はイラン・イラク両国の国民の利益となる」と返答した。イラクのタラバーニー大統領がイランを訪問するのは、今回で就任以来6回目である。

■ シリア

 さらに、シリアのアトゥリー首相が二国間協力のための上級合同委員会の会合に参加するため3日間のイラン訪問を開始した。アフマディーネジャード大統領、モッタキ外相、ラーリージャーニー最高評議会議長と会談予定である。

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:15937 )