バシール大統領、国際刑事裁判所の逮捕決定に公然と挑戦
2009年03月06日付 Al-Ahram 紙

■ バシール大統領、国際刑事裁判所の決定に対して挑戦
■ スーダンは扇動だとして国連を非難、人道支援10団体に国外退去を命ず
■ エジプトは決定実施の延期を求め、そのネガティブな影響を警戒

2009年03月06日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ニューヨーク:ターリク・ファトヒー、ハルトゥーム:諸通信社】

 国際刑事裁判所による逮捕決定に対して公然と挑戦すべく、スーダンのウマル・アル=バシール大統領は昨日行われたデモに参加した。決定を批判し、バシール支持を謳うこのデモは、昨日で開始2日目に入った。

 首都ハルトゥーム中心部の殉教者広場に集まった数万人のデモ隊を前にバシール大統領は、米とヨーロッパの指導者こそ真の犯罪者であると非難した。デモ参加者たちはアメリカ合衆国、イギリス、そして国際刑事裁判所のルイス・モレノ・オカンポ検事を強く非難した。

 一昨日の決定に対する初めての応答としてバシール大統領は、国際刑事裁判所の逮捕状は、スーダンを標的としているだけでなく、おしつけ政治を拒否するあらゆる国を標的としたものだと強調した。
 (中略)

 またバシール大統領は、スーダン政府が法律・規則違反が認められた10の人道支援団体を国外追放したと発表した。さらに、これらの団体が国際裁判所に虚偽の報告を行ったと非難し、国の安定をおびやかすあらゆる者たちに対し、断固たる措置を取ることを辞さないと語った。

 昨日スーダンは、バシール逮捕という(オランダ)ハーグの国際刑事裁判所の決定の背後に国連の潘基文事務総長と数人の高官 がいると批判し、スーダンのアブドゥルハリーム・アブドゥルマフムード駐国連恒久大使は、本紙との単独会見 で、潘基文とジョン・ホームズ(人道問題担当事務次長兼緊急援助調整官)といった高官たちはこの数ヶ月、ダルフールの状況について不正確な情報を広めていると指摘した。

 またカイロでは昨日、フサーム・ザキー報道官の口を通じて外務省の見解が示された。それによれば、バシール大統領の逮捕状に関する措置を止めるために考えられる一つの方法は、国際刑事裁判所基本規定(ローマ規定)第16条「それ以前にとられた措置の特別延期」の適用であり、これはエジプトがスーダン大統領の訴追開始当初から要求しているものである。エジプトは逮捕決定が出される前から、それに付随するネガティブな影響を警戒していた。

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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:15963 )