公正発展党系のファーティフ区のスルクレにおいて、都市開発の枠組みで土地収用と取り壊しの決定がなされたのち、２街区の住居の50％の所有者が変わった。「ロマの人々（ジプシー）」がローンを組まされ、集合住宅局(TOKİ)が作ったアパートに引っ越しをする一方で、区長の顧問と幾人かのブローカーが、資産価値の値上がりが確実なアパートを、市が提示した価格を若干上回る金額で、第三者の名前を使って買いあさりはじめた。

ユネスコはこの地区に調査団を派遣し、「プロジェクトをこういった形で進めるなら、イスタンブルを世界文化遺産リストから外すつもりだ」と発表した。まず、自身が訴えられているデニズ・フェネリの公証人であるイスメト・ビュユククルチを含め、ある国会議員の息子、複数の公正発展党国会議員、そしてタリーカ（教団）指導者のマフムート・ホジャが家屋を買い取ったことが明らかとなった。

公正発展党の議員らとマフムート・ホジャが、開発プロジェクト地区内の家屋を、最初の所有者が収用を恐れ手放した時期、すなわち２００７年と２００８年に買い取り、市との契約に署名したことがわかった。

前イスタンブル第１０公証人であるビュユククルチも、２つの住居を、彼に関する告発が公になった時期、すなわち２００８年７－８月に買ったこと、マスコミに公表された資産にこの住居がなかったことが明らかとなった。

２つの大街区の半分が所有者変更

スルクレでイスタンブル広域市、ファーティフ区そして集合住宅局が共同で進めているネスリシャーとハティジェ・スルタン街区の都市開発プロジェクトにより、伝統的なトルコ建築による４５店舗と６６５の住居が建設される。スルクレとして知られる２つの街区の家屋の５０％が、ファーティフ区長顧問として都市開発地区で土地収用をすすめていたムスタファ・チフッチと幾人かのブローカーの仲介で所有者が変わったことが明らかになった。

ファーティフ区とスルクレとの関係は、２００４年地方選挙後から始まった。区の関係者らが、スルクレとして知られるネスリシャーとハティジェ・スルタン街区で都市開発プロジェクトの枠組みで土地収用がなされ、取り壊しがなされるという情報を広め、それらの確証をし始めた。

市民団体は４つの別々の訴訟を起こした

情報が広められたのち、ファーティフ区長顧問のムスタファ・チフッチと幾人かのブローカーが仲介し、ロマたち（その中には３００年前のオスマン時代の権利証書を所有する者もいた）から、彼らが所有する不動産を、区および第三者の名前で買いあさり始めた。ファーティフ区が、現存する家屋１平方メートルあたり500リラ（約28,500円）の値をつけ、さらにこの支払いをも５年にのばすや、第三者は支払われる価格を若干上回る価格で、これらの不動産を買いあさることをこの3年間続けてきた。

借家に住んでいたロマたちは、タショルクの集合住宅局(の住居に、ローンを組まされ定住させられ、その後スルクレでは今も続く取り壊しが始まった。ネスリシャーとハティジェ・スルタン街区の都市開発プロジェクトの枠組みにおいて、集合住宅局（TOKİ）が６６５の住居を建設することが発表された。このプロセスにおいて、ロマたちの家屋と土地が、スルクレ第一期開発地区の３３９戸のために（売買）契約が結ばれた。市民団体が反対したプロジェクトに関し、ファーティフ区の共和人民党（ＣＨＰ）グループと幾人かの公正発展党（ＡＫＰ）系議員は、「『濡れ手で粟』的開発である」と異議を唱えた。プロジェクトの取り消しのためイスタンブル建築家協会、都市計画協会と市民団体から異なる４つの訴訟が起こされた。

反対したものは懲罰委員会で警告をうけた

公正発展党系の議員、シベル・ムサオール、ジェマル・メルダン、カーディル・オズデミルはプロジェクトに反対し、党の決定に反対したことで、党の懲罰委員会にかけられ、警告を受けた。

公正発展党のファーティフ区支部の設立メンバーであるレジェプ・カラオールは、スルクレ第一期開発地区で名前を公表して住宅を購入したが、「倫理上問題である」といわれ、処分するよう求められ、さらに党の職を辞任した。カラオール氏は辞表のなかで、すべての国民同様、自分も不動産を所有する権利を有していると述べ、辞職するよう圧力をかけた公正発展党系のファーティフ区長とスルクレプロジェクトに関与したと（カラオール氏が）暴露した幾人かの党員らにも辞任するよう求めた。

「彼らは無学で、あなたたちはずる賢い」

先月、公正発展党から離党したファーティフ区議会議員ヤクップ・カルオールは、議会議事録にも書かれている発言で、スルクレプロジェクトについて以下のように語った。
「ファーティフではほとんどのプロジェクトが最初から最後までこっそり行われる。スルクレもその１つだ。我々の誰もが知らされなかった。市長はスルクレについてある発表を行った。すなわち住民の１％は楽士、その４７％は小学校さえも卒業していないという。無学な人々と言いたい。確かに彼らはあなた方の考えでは無学だが、あなたがたもとてもずる賢い。都市開発の動きをみていると、この地域の地権者の50％が変わった。スルクレは「濡れ手で粟」の入り口となってしまった。次のことを私は心配している。明日、そこ住居がつくられるのか、誰が住むことになるのか、我々は呪いを受けるだろう。ほかの人々もこう言うだろう、『ほら見ろ、あの人も住んでいる。アッラーの罰を受けるだろう』と」

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（ 翻訳者:牧史織 ）
（ 記事ID:16021 )