3月29日選挙結果を、1.5%以内の誤差で公正発展党が39.8%を獲得すると予想していたA&G調査会社のオーナーであるギュル氏は、公正発展党の後退の理由として、次の3つを挙げた。すなわち、経済危機、候補者選びの失敗、南東部での政策の3つである。
地方選挙を前に行われた世論調査で公正発展党の票の下落を事前に予想し、選挙結果に最も近い予測をしたA&G調査会社オーナーのアディル・ギュル氏は、「みなと異なることをわが社が言っていたために、調査の成功が注目を集めた」と述べた。
直近(2007年7月22日)の総選挙で最も近い予想をしたコンダ調査協力会社を運営するタルハン・エルデムとともに17年働き、その後A&Gを自身で設立したアディル・ギュル氏は、地方選挙の勝利者となったのである。
CNNトルコのために3月21、22日に44県5412名を対象に行った調査で、±1.5誤差で公正発展党が39.8%を得票すると述べていたギュル氏の予測の的中が、選挙結果の発表によって認められた。ギュル氏は本紙に選挙結果の評価付けを行った。
■ 危機と南東アナトリア
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相のダボス会議退席の後、公正発展党の支持率は55%まで高まったが、この支持率が地方選挙前に下落したことを確認したとし、この件について次のように述べた。
「選挙の1か月前に公正発展党の得票率が40%を下回ることを予想していた。これに関して、私の考えでは3つの要因がある。一つめは経済危機である。この要因が政党に与えた影響は2ポイントである。これに加えて「誰を指名しても、勝利する」とのロジックで公正発展党は、いくつかの県で候補者選びに失敗した。側近の国会議員が首相を誤らせたと考えている。この候補者選びの失敗も2-3ポイント下落の要因であった。東部および南東アナトリアでの政策が政党の得票率を1.5-2%下落させたとみている。」
公正発展党に向けられた「不当な扱い」という理解がこの選挙で争点とならなかったことも票の低迷に影響したと語り、公正発展党の今後の後退継続に関する予測についても次のように明らかにした。
「(公正発展党が)不当な扱いを受けているとの理解が、(公正発展党の)対応がまずいのだ、との理解に移行し始めた。首相はこれに留意し、政策によって有権者に向き合う必要がある。政党として自身を一新せず、票の下落の理由を問わないのであれば、公正発展党の低迷の傾向は増々続くであろう。」
■ 首相の攻撃的発言
公正発展党に対し別の選択肢があれば、票の下落はさらに大きくなるだろうと主張するギュル氏は、共和人民党と民族主義者行動党の得票率が増加したことは、次の国会議員選挙にとって、いかなる指標にもならない、と述べた。
選挙キャンペーン中にエルドアン首相が口にした攻撃的発言が共和人民党と民族主義者行動党の候補者に有利に働いたとし、公正発展党に対し協力体制が形成された場合、多くの県で公正発展党候補が落選しているとした。
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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:16107 )