エルドアン首相のアンタリヤ・ショック―70億リラの投資をしたのに・・・
2009年03月31日付 Hurriyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、アンタリヤ広域市市長職が共和人民党(CHP)へ奪われたのを受け、「事業開会式のため28回も訪問した」と語ったが、その背景には2004年から今までアンタリヤに行った70億リラ(4060億円)の投資があることが明らかとなった。選挙に負けたメンデレス・トゥレル氏は、「私は10億リラ(580億円)のプロジェクトを実現させた。政府も60億リラ(3480億円)の投資をしたのに・・・」と話した。

エルドアン首相は、「アンタリヤでの結果は異常なことです。結果は尊重しますが、アンタリヤへは28回も事業開会式のため行きました。前例がないほどの投資をしたのです」としてショックをうけ、同市に70億リラの投資をしたことを明らかにした。アクデニズ大学前学長で大学連合会前会長を歴任し、アブドゥッラー・ギュル大統領からは(学長就任を)否認されていたムスタファ・アカイドゥン教授に負けたアンタリヤ市長で公正発展党(AKP)のメンデレス・トゥレル氏は、「私は2004年から今日まで10億リラのプロジェクトを実現させた。政府も60億リラの投資をしました」と話した。

2070年まで水問題は解決

トゥレル氏は、以下のように述べた。「市長時代、100の大きなプロジェクトを実現させてきた。市として約10億リラの投資をした。内閣決議にもとづいてマナウガット水道プロジェクトがアンタリヤ市へ業務委譲され、2070年までの水問題は解決した。排水システムをとらない都市のインフラを完成させた。橋梁ジャンクションをも建設した。地下鉄も運行させた。海岸整備、緑地など、アンタリヤで今まで行われなかった政策をこの5年でやった。政府もアンタリヤで60億リラ近い投資をした。計70億リラの投資をしたのだ。国営病院、アンタリヤ―アランヤ間の道路、どれも大切な仕事だ。親愛なる首相は、28回もアンタリヤを訪れ、我々は来訪のたびに3つ,4つの開幕式の準備を行った。」

私は腹を立てているわけではない、全ては市民が決めることだ

メンデレス・トゥレルは市長時代に、野党は「やらなかったことを批判せず」そして「やったことのみが批判された」と話し、次のように続けた。「現在我々は収支を検討しているところである。わずかな不足分さえ見つけられない。しかしまた、結果を敬意をもって受け入れる必要がある。市民の選択と民主主義を信じるならば、この選択に敬意を払わなければならない。アンタリヤ市民には決して怒っていない。私は新聞記者として、そして商工会議所所長として、最近では市長として常にアンタリヤに貢献してきた。さらに、今後も貢献し続けるつもりだ。必要とあらば、支援をする準備がある。我々にとって市民の評価が何よりも大切だ。市民への貢献という競争において、願わくば我々の任務というものは、貢献の歩みを我々から受け取った人々を、貢献という旗を掲げる者たちを、手助けすることでありたい。」

トルコ旅行協会(TURSAB):政府はアンタリヤに腹を立てないように

トルコ旅行協会(TURSAB)会長のバシャラン・ウルソイ氏は、アンタリヤでの地方選挙の結果について以下のように述べた。「民主主義的で公正な選挙であった。市民はどの地域においてもきちんと仕事をしてくれる人を選ぼうと努力した。この選挙では候補者が第一、そして政党が第二であった。アンカラ市民とイズミル市民は政党に投票した。イスタンブルでは投票した人々は、それぞれさまざまな思いでいた。市民は、『我々は、経済がよくなることを望んでいる。我々を傷つけずに、優しくしてください。いい仕事をしてくれるなら、投票します。そうじゃないなら辞めさせます』と言ったのだ。アンタリヤは不安をはっきりと示した。世界と一つにつながった生活様式をもつこの地域で、市民は不安を提示し、その結果この候補者が勝った。ただし、アンタリヤへはあらゆる条件下においても援助をしなければならない。政府は選挙で負けた地域に腹を立ててはいけない。アンタリヤの観光を盛りたてるため、あらゆる援助を続けていくべきだ。」

地下鉄プロジェクトの工事は道路を通行止めにし、商業関係者はこれに反発

アンタリヤ商工会議所所長の椅子を2009年3月6日の選挙で明け渡したケマル・オズゲン氏は、「アンタリヤでとても興味深い結果となった。しかし別の場所でも(同様の結果が出ることが)期待されていた。なぜなら商業関係者はとても困惑していたからだ。特に鉄道システム(メトロ)計画は反発を生んだ。経済危機も重なって、不満が増大した」と話した。

政治的な態度をとっているのではないとするケマル・オズゲン氏は、次のように話している。「親愛なるトゥレル氏が市長職にあった時は、アンタリヤへ政府からも大きな関心が寄せられた。アンタリヤでこの5年間に行われた事業は、無視できないほどのものであった。しかしこの事業の一方で、いくつかのことがらが本当に急ピッチで行われた。いくつかのプロジェクトは、市民団体との十分な議論がなされていない。スタジアムや鉄道システムは多くの議論を巻き起こしている。鉄道システムにおける問題点は、できるだけ早くプロジェクトを終わらせようとしたことであった。段階を踏んでいたならば、市内の商業関係者は一息つくことができただろうに。しかしこのプロジェクトのため、一瞬にして大小の通りが通行止めになった。我々はこのようなことを予期しなかった。」

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( 翻訳者:牧史織 )
( 記事ID:16110 )