エジプト側で押収されたガザ地区支援物資の競売の動きに反発広がる
2009年03月25日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ エジプト当局の姿勢にインターネット上で広く非難
■ エジプト:宗教者たちが、ガザに向かう途中に押収された羊の購入を禁止するファトワー

2009年03月25日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【カイロ:フサーム・アブー・ターリブ】

 エジプトの著名な宗教者や宣教者たちは民衆に対して、エジプトとパレスチナの境界線上にある秘密トンネルを経由してガザ地区に密輸する途中に押収された羊を購入しないよう警告を発した。この[押収された羊の売却の]問題は、本紙ウェブサイトをはじめ、エジプトのインターネット上の掲示板やウェブページで非難の的になった。

 本紙に対する談話の中で、イスラーム問題高等評議会メンバーのユースフ・アル=バドリーは国民に対して、これらの羊や、トンネル内部で押収された物品を購入しないよう呼びかけ、「これらの品物から利益を得ようとしたり購入した者は罪人である」と強調した。

 バドリー氏は、「これらの羊を売買しようとしている人や、食べようとしている人、それによってどのようなかたちであれ利益を得ようとしている人は、断じて大罪人であり、イスラエル人のイスラーム教徒やアラブへの敵対行為を支援する者たちである」と述べた。

 また同氏は、「我々が兄弟に救いの手を差し延べて支援のために立ち上がることをキャンプ・デーヴィッド合意が妨げると述べる者たちは、『彼らがもし、宗教上のことで助けを求めてくるなら、あなたたちと契約を結んでいる人びとの害にならない限りにおいて、彼らを助けるのは、あなたたちの義務である』というクルアーンの節を間違って理解している。この節は蔑ろにされており、まったく実行されていない 。パレスチナ人を助けるのは、全てのイスラム教徒の義務である。したがって、我々は、あらゆる形で彼らを助けるべきである。彼らが金銭を支払った物品を押収し、これによって利益を得ることは大罪であり、それに関与した全ての人は罰せられなければならない」と語った。

 ムスリム同胞団の指導者であるムハンマド・マフディー・アーキフは、「エジプト当局が、ガザの人々が金銭を支払った羊や子牛を競売にかけたことは、エジプト体制の顔に泥を塗る行為だ」と語った。同氏は本紙への談話の中で、「運命はエジプト体制の悪行を白日の下に晒さずにはおかないだろう。そして体制は額に脂汗が浮かぶような恥ずべき行為によって、日に日に堕ちていくことになるに違いない」と指摘した。

 宣教者サフワト・ヒガーズィー博士は、ガザ地区に対する封鎖を非難し、「政府が毎日続けているパレスチナ人への締めつけは、不当な抑圧だ」と述べた。また、「パレスチナへの支援を妨害することは、受け入れ難いことである」と語り、金銭的・物質的援助は、それが可能である全てのイスラーム教徒の義務であることを強調した。

(中略)

 北シナイ県は昨日火曜日、エジプト領ラファハで羊560頭とガスボンベ50個を売却するために競売を実施すると発表し、精肉業者の参加を呼びかけた。これに対してエジプトの民衆の間では怒りが広がっている。

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:16114 )