億万長者の乞食が餓死:シャフレ・コルドで
2009年04月04日付 Jam-e Jam 紙

【事件部】70歳の乞食の遺体が、数十億トマーン〔日本円で数億円〕の資産とともに、自宅から発見された。

 チャハールマハール・バフティヤーリー州シャフレ・コルドのある地区に住む住民たちは、自らを困窮者だと名乗っては、いつも道行く人々に硬貨やしわだらけの紙幣を懇願していた老女の姿を、長年目にしてきた。

 しかし新年が明けると、「タルアト」という名のこの老女の姿を、誰も見かけなくなった。そして、〔老女の住んでいた部屋から〕悪臭が漂ってくるに至り、住民らはついに110番警察緊急センターに通報した。捜査員が現場に到着し、人気のない老女の自宅に入ると、そこには物乞いをしていた女性の遺体が横たわっていた。

 事件はシャフレ・コルド刑事予審判事に報告され、同判事は現場に向かった。その結果、物乞いの女性の遺体は死後4日が経過していることが判明した。捜査員が自宅を捜索したところ、信じられないことに、1千万トマーン〔約100万円〕の現金、時価数十億トマーン〔約数億円〕分の不動産証書多数、及びガージャール朝時代のアンティーク類が発見・押収された。不動産証書に関する初期捜査の結果、これらの一部は市の高級商業地のものであることが判明した。

 本件を担当するユーセフ・バーゲリー判事は、この事件に関し「70歳の物乞い女性はタルアト・ハビービヤーンという名で、恐らく病死したものと思われる」と述べた。同判事はまた、「発見されたアンティークの中には、ガージャール朝の王モハンマドの時代のイヤリング数点もあった」と述べ、さらに「捜査の結果、この物乞いは食事に関して極度の吝嗇家であったことが分かった。これまでのところ、彼女の遺産を相続する人物は見つかっていない」と語った。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:16161 )