アナポリス合意を否定したイスラエル新外相の発言に対し、米は合意遵守を明言
2009年04月03日付 Al-Ahram 紙

■ リーバーマン外相のアナポリス合意否定に対し、アメリカはパレスチナ・イスラエル紛争解決のため二国家建設案を 遵守すると強調
■ イスラエルが和平協定の履行に失敗した場合、EUはイスラエルとの関係発展の凍結を検討

2009年04月03日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP国際面

【ワシントン:諸通信社】

アナポリス和平合意を批判したイスラエルのアヴィグドル・リーバーマン新外相の声明に対する迅速な対応として米合衆国は、イスラエルとパレスチナの二国家建設という基本ラインに沿った形でパレスチナ・イスラエル紛争を解決することが必要だと強調した。

 ゴードン・ドゥグッド米国務省報道官は、「合衆国はネタニヤフ政権とともに、和平プロセスを推進し、二国家解決案に向けて当事者たちに働きかけていく」と述べた。ドゥグッド報道官は、「米国政府は、イスラエル新政権がパレスチナ・イスラエル間の地域恒久和平に到達すると信じている」と明言し、「イスラエル政府からの提案はまだ聞いていない」と述べて、「米国政府は二国家による解決を提唱したアナポリス合意を遵守する」と強調した。

 (中略)

 一方、リーバーマン外相は、ハマースがガザ地区を支配している限り、パレスチナ人との和平交渉前進を実現するのは難しいと発言し、イスラエルのハアレツ紙への声明の中で、「和平の前に、まずはハマースの武装解除だ」と強調した。リーバーマン首相は、パレスチナ国家建設をうたったアナポリス合意にイスラエルは拘束されないと指摘した先の発言で、パレスチナと合衆国を怒らせた。

同じ頃ハアレツ紙は、二国家建設案を受け入れるとのはっきりした誓約をイスラエルが出すべきだと、複数のEU高官が考えていると報じた。ハアレツ紙によればEUは、もしイスラエル政府が二国家建設案を遵守しないのであれば、EU・イスラエル関係強化のプロセスを凍結すべきと考えていると指摘している。またハアレツ紙は、この数日間にヨーロッパのイスラエル大使館から、少なくとも10の報告がイスラエル外務省へ届けられ、ネタニヤフ政権に対するヨーロッパの信頼維持が困難な状況を伝えたとも報じている。報告はそれぞれ、パレスチナ側との交渉、入植地建設、東エルサレムでの住居破壊とガザ地区での人道状況におけるイスラエルの対応を批判しているという。

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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:16196 )