5人の大学学長・元学長を逮捕―エルゲネコン捜査第12波
2009年04月13日付 Hurriyet 紙

エルゲネコン疑惑による第12回目の捜査は、アンカラ、イスタンブル、ディヤルバクル、サムソン、ウルファ、ブルサ、トラブゾン、アンタリヤ、メルスィン、ヴァン、イズミル、ギレソン、カルス、アダナで続いている。捜査の対象には、生活近代化支援協会、教育近代化協会と元大学学長たちが含まれている。バシュケント大学の現学長メフメト・ハベルアル教授と、ギレソン大学現学長オスマン・メテイン・オズチュルク教授、さらに三人の元学長が逮捕された。
生活近代化支援協会会長のトゥカン・サイランの家が家宅捜査された。エロル・マニサル教授が逮捕された。今日のもっとも注目された出来事のひとつは、第9代大統領のスレイマン・デミレルが、審問のためにイスタンブルに移送されるハベルアル教授を見送るため、空港にきたことだ。
逮捕者リストには多くの名前があり、その数は62に達すると見られている。

■ オズチュルク学長、イスタンブルへ移送

エルゲネコン捜査の第12波として逮捕されたギレソン大学の学長オスマン・メティン・オズチュルク教授は、トルコ航空のトラブゾン発20:10の飛行機でイスタンブルに送られた。19マユス大学 の元学長、フェリト・ベルナイも、イスタンブルに送られた。

■ バシュケント大学の学長メフメト・ハベルアル教授、逮捕

 エルゲネコン捜査の一環で、生活近代化支援協会本部と全支部が捜索されている。TV局のカナルBとバシュケント大学本部の捜査は終了した。カナルBの創設者で、バシュケント大学の学長メフメト・ハベルアル教授は、自宅の家宅捜査のあと、逮捕された。ハベルアルの自宅のあるチャイヨル・ムトゥルケント11番通りの捜査のため、通りは軍警察の警備兵により、車両、歩行者ともに通行止めとされた。

民族主義者行動党のアンカラ選出議員のデニズ・ボリュクバシュがハベルアルの自宅におり、また、バシュケント大学職員が大学の車両で学長の家のある通りの角まどきていた。ハベルアルが自宅から連行されるに際しては、周辺に集まった人々が拍手で抗議の意を示したのが目撃された。

ハベルアルの自宅から警察がコンピュータと何枚かのCDを押収したことが発表された。ハベルアル教授の自宅の庭や公用車も捜査された。

■ デミレル元大統領は空港へ

ハベルアルと、元イノニュ大学学長ファーティフ・ヒルミオールは、厳重な警備のもと、トルコ航空の13:10発定期便でイスタンブルに連行された。第9代大統領のスレイマン・デミレルは、アンカラのエセンボア空港まで出向き、ハベルアルに「お気の毒に(geçmiş olsun)」というメッセージを伝えた。

■ カナルB・TV局捜査

カナルBテレビ局での操作は終了した。(中略)
カナルBテレビの放送は、通常番組が放映され続ける一方、テレビ局で捜査が行われていることが、字幕スーパーで視聴者に伝えられた。
カナルBテレビの報道局長メティン・カヤハンは、捜査により、警察が放映済みのいくつかの番組に関するテープとCDを押収したと述べた。テレビ局のある建物内のコンピュータのハードディスクもコピーされた。

■ サイランの自宅捜査

トゥルキャン・サイラン教授のイスタンブル、アルナヴトキョイのベヤズギュル通りの家に、早朝から訪れた各警察署に属する警察官は、家宅捜査を実施した。自宅を調べられたサイランは、逮捕者リストには入っていない。
サイランは、ジュムフリイェト紙のイルハン・セルチュクがエルゲネコン捜査で逮捕されたのちに発表した声明で、「ということは、誰もが夜中に逮捕される可能性がある。これは大きな誤りだ」と述べていた。

■ 生活近代化支援協会のイスタンブル本部で捜査

ベイオールのシシュハーネのエヴリヤ・チェレビ区シマーイー通りにある生活近代化支援協会本部に、早朝やってきたイスタンブル組織犯罪対策本部とベイオール区警察署に属する警官隊は、協会への出入りを封鎖した。そこで、捜査をはじめた警察官は、協会のある通りの入り口にあたる角でも、厳重な対策を講じた。

■ 生活近代化支援協会各支部で捜査

生活近代化支援協会のディヤルバクル、ウルファ、カルス、ブルサ、トラブゾン、アンタリヤ、メルスィン、ヴァン、イズミル、チュクロヴァ、アダナの各支部でも、今朝、警察の捜査が始まった。アダナのチュナルル区と、イズミルのアスランジャク郡にある支部にきた警察官による捜査は今も続いている。

生活近代化支援協会ヴァン支部長のアイシェ・ユクセル教授の、ヴァンの100周年記念大学のキャンパスにある宿舎でも、今朝、警察と軍警察による捜査が始められた。10人の専門官によって行われた捜査は5時間続いた。捜査で、事務所にある書類類、コンピュータと、各種の書類が押収された。押収資料には、100周年記念大学の学生協会の名簿や、生活近代化支援協会から奨学金を得ていた人のリストも含まれる。書類では、一部の学生の名前に注記がつけられていることが発見されたという。イスタンブルで逮捕されたアイシェ・ユクセル教授は、以前にユジェル・アシュクン学長の補佐をしていた。

■ 元学長のユルトゥクラン逮捕

 
アタテュルク主義思想協会副会長で、ブルサのウルダー大学元学長のムスタファ・ユルトゥクラン教授の自宅でも、今朝、警察の捜査が行われた。
9時間に及ぶ捜査の間、ユルトゥクランが蒐集していた多数の猟銃と鉄砲が、警察によって慎重に調べられたという。捜査では、この他、ユルトゥクランだけでなく妻や子供たちのコンピュータも、捜査員によって操作の対象とされた。

ユルトゥクラン教授は、先月、ある私立病院で下腹部の肉腫を除去する手術をうけ薬を飲む必要があったにもかかわらず、捜査の間、係員は、その許可を与えなかった。ユルトゥクラン教授は、手術をうけた病院から報告書をとりよせ、その後ようやく薬を飲むことができた。逮捕されたユルトゥクラン教授は、イスタンブルに連行されたと伝えれている。別荘での捜索も行われ、DHA通信社は電話でユルトゥクラン教授と話すことができた。氏は、「逮捕者リストに私の名もあるらしい。捜査が終わったらイスタンブルに連れて行かれるらしい」とだけ述べた。

家から連行されるに際し、報道陣に手を振ったユルトゥクラン教授は、「祖国と国民を悼む」と述べた。

■ イズミルの19マユス大学の元学長ベルナイ、逮捕

19マユス大学の元学長ファーティフ・ベルナイは、家宅捜査ののち、逮捕された。警察署テロ対策本部班の人々は、今朝、2期にわたって学長をつとめ、現在は医学部教授を務めているフェリト・ベルナイの、19マユス大学クルペリト・キャンパスにある官舎にある自宅を訪れ、捜査をはじめた。捜査は10時半ごろに終了した。

逮捕されたベルナイの家では、中にコンピューターのディスク、書類、CDが入っているといわれる5つの袋が運び出された。ベルナイの医学部にある部屋や、車のなかも捜査された。

■ イノニュ大学元学長も逮捕

エルゲネコン捜査の一環として、マラトゥヤのイノニュ大学の元学長ファーティフ・ヒルミオールもアンカラで逮捕された。

■ ギレソン大学での捜査終了

ギレソン大学本部のオスマン・メティン・オズチュルク学長の部屋で行われていた捜査は終了した。

■ 学長逮捕

ギレソン大学のオスマン・メティン・オズチュルク学長は、仕事部屋と宿舎での捜査が完了したのち、逮捕された。大学をでるとき、多くの学生、教員らが抗議の拍手をする中で、私服警官の車両に乗せられたオズチュルク教授は、健康診査のため、ギレソンのイルハン・オズデミル国立病院に連れて行かれた。オズチュルク教授は、健康診査ののち、トラブゾンに送られ、そこからトルコ航空機でイスタンブルに連行される予定となっている。オズチュルク学長の部屋と自宅で行われた捜査により、コンピュータのハードディスクと書類が押収されたという。

退役軍人であるオスマン・メティン・オズチュルク教授は、2008年3月18日に、チャナッカレ戦勝記念日に大学が行われたあるシンポジウムで、エルゲネコン容疑者のヴェリー・キュチュクとあったことがあるため、自分もエルゲネコン捜査に引き込まれようとしていると語っていた。

■ ティジェン・メルゲン逮捕

ドアン新聞株式会社運営委員で、市場開発・販売・向上委員会委員長のティジェン・メルゲンも、エルゲネコン捜査の一環で逮捕された。メルゲンは、生活近代化協会とともに、「お父さん、私を学校に連れて行って」プロジェクトを推進していた。

メルゲンは、ファーティフ公務員病院での健康診断ののち、イスタンブル警察に連行された。

■ 68年連合財団(68'liler Birliği Vakfı)の事務総長も逮捕

68年連合財団の長、ソンメズ・タルガンと、財団の事務局長ナムク・ケマル・ボヤも、エルゲネコン捜査の一環で逮捕された。
タルガンは、文書で声明を発表し、エルゲネコンは今日の捜査で、新しい局面に入ったとし、次のように述べた。

「我々の財団の事務局長ナムク・ケマル・ボヤを含む多くの知識人、科学者、市民団体の代表の家々で捜査が行われ、一部は逮捕という事態に至っている。いかなる近代的な法治国家においても、ありえないこのような手法は、トルコが、警察国家への道を進んでいることを明確かつ鮮明に示している。」

■ ホテルでも捜査

メフメト・ハベルアル教授の設立したバシュケント大学財団に属するギョルバシュのパタリヤホテルでも捜査が行われたという。情報によると、警察チームは、ホテルにあるコンピュータとハードディスクを押収した。

■教育近代化財団で捜査

教育近代化財団のタクスィムのコジャテペ区フェリディエ通りにある建物にやってきた警官は、周囲に警備網をしいたのち、捜索を開始した。
財団の長、ギュルセヴェン・ヤシャルの家でも捜査が行われている。ヤシャル氏本人は、国外滞在中であることがわかった。

■ エロル・マニサル逮捕

イスタンブル大学経済学部の引退した教員であるエロル・マニサル教授の、イスタンブルの自宅で捜査が行われた。マニサルは、ベシクタシュのレベント・スンビュル第一通りにある家での捜査ののち、逮捕された。
マニサルは家から連行されるに際し、「何のことだか全くわからないが、(警察に)連れて行かれるようだ」と述べた。

■ 車両も捜査

バシュケント大学学長メルメト・ハベルアル教授と、19マユス大学の元学長フェリト・ベルナイについては、自宅だけでなく、自家用車も捜査された。

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( 翻訳者:トルコ・メディア翻訳班 )
( 記事ID:16203 )