「文明の衝突」神話、イスタンブルで終焉―ニューヨークタイムズ評
2009年04月13日付 Milliyet 紙
米ニューヨークタイムズ紙は、バラク・オバマ米大統領のトルコ訪問により、「悪意ある文明の衝突神話」が遠ざかったと評した。
アメリカ大統領バラク・オバマが先週行ったトルコ訪問の際に、イスラム世界に対し発したメッセージで「文明の衝突神話の終焉」がもたらされたという記事が掲載された。アメリカのニューヨークタイムズ紙は、社説において、
「オバマ大統領はトルコ訪問の際に、アメリカとイスラム世界との関係を再構築する重要な前進を成した。ポスト9.11は、悪意ある文明の衝突神話から遠ざかった」というコメントを掲載した。
オバマ大統領がトルコ訪問の際にイスラム世界に発したメッセージを評価した同紙は、次のようなコメントを載せた。
「オバマ大統領は、先週行ったトルコ訪問の際にアメリカとイスラム世界との関係を再構築するための重要な前進を成した。オバマ大統領は、ジョージ・W・ブッシュ前大統領に一連の発言やお粗末な政策を引き起こさせていた9.11テロ後の、悪意ある文明の衝突神話を遠ざけた」
■熱狂とともに迎えられた
米ニューヨークタイムズ紙は、オバマ大統領がトルコ大国民議会で行ったスピーチの際に、アメリカはイスラムと戦争をしているわけではなく、今後も決してそのようなことはない、という考えのメッセージを発したことを指摘し、「トルコでは反対運動をする人々も見受けられたが、オバマ大統領は総じて大きな興奮とともに迎えられた。他のムスリム諸国も彼の言うことに耳を傾ける用意があるように思われる」
と書いた。
同紙は、ブッシュ前大統領がイスラムに対する敬意をしばしば示すものの、「十字軍」や「イスラム原理主義者」という表現を用い、テロとの戦いが実質的にイスラムとの戦いであるという恐怖感を抱いていたと書いている。そして、
「オバマ大統領の表現とか口調が(ブッシュ大統領よりも)優れているだけでなく、彼の政策が優れているのだ」
と評した。
同紙の社説は次のように結ばれている。
「オバマ大統領の側近らによると、オバマ大統領はまだムスリム世界に対してさらなるスピーチを計画しているという。次のスピーチでは、共通土台(妥協点)だけでなく、女性の権利や信仰の自由といった多くのムスリム諸国に存在するものの、簡単には相互理解の橋を架けることはできない、しかし重要な相違点の存在を受け止めていく必要がある」
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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:16204 )