コラム:中東情勢の変化とレバノンの対外交渉の今後
2009年04月07日付 al-Hayat 紙

■ レバノンはどのように包括的交渉に臨むのか?

2009年04月07日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP論説面

【ズィヤード・アル=サーイグ(著述家、レバノン)】

 アメリカ合衆国とイラン・イスラーム共和国の間をはじめとする対話の方向性の前向きな側面に依拠するに拙速であってはならないことは確かだが、レバノンは、昨今の周辺地域および国際情勢に対する傍観者であり続けるわけには行かない。イスラエル以外に誰が[交渉への]対応のあり方を決定付けるのかという問いが残っているからだ。それが飴であれ鞭であれ、どのような結果をもたらすかを考えれば、その重大性は十分に理解できるところであろう。一方、メディアを通しての泡のごとき声明の数々や各勢力の姿勢について言えば、それらは敗者と勝者を位置付けるようなものではなく、競争的な構図を明確化させる以外の何ものでもない。

 いずれにせよレバノンは、敵国の殺戮によってであれ、(より苦痛をもたらす)友邦の専横によってであれ、甚大な代価を支払ってきたという確信から、情勢の展開を傍観すべきでなく、レバノンの中立姿勢は今や真剣な検討の対象とするべきである。それは、敵イスラエルとの対峙から身を引くという意味ではなく、効果的な対峙の最適な手段を選択するという意味においてである。それによって、2006年のイスラエルの侵略以来つづいている破滅的な影響の深刻化を回避すべきなのである。[イスラエルに対する]抵抗運動の武器は、一時の憤怒に駆られてレバノン国内に向けられることになった。これはイスラエルを喜ばせる戦略的誤りであった。また、パレスチナ諸勢力の対立が先鋭化していることについても同様である。これについては、メッカ合意での経験によって、意思の表明とは矛盾する行為の実態の多くが明らかになったとは言え、エジプトが困難な状況の打開に寄与することを期待したい。ともあれ、傍観しないためには受動ではなく行動が必要である。

(後略)

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:16246 )