エジプト、ヒズブッラーやパレスチナ人からの攻撃を警戒してシナイ半島の警備を強化
2009年04月21日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ パレスチナ人やヒズブッラー細胞メンバーによる攻撃を警戒して、シナイ半島に緊急治安措置

2009年04月21日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【カイロ:本紙】

 エジプトは昨日未明から、14.7kmに及ぶガザ地区との国境全域にわたり、治安措置の強化と警察官の増強を開始した。200km以上に及ぶイスラエルとの国境についても同様の措置を取った。観光施設の近辺や、〔シナイ半島北部〕シェイフ・ズウェイドのシャラーク村にある、イスラエル向けに天然ガスを送り出しているパイプライン施設 の周囲が特別に強化された。

 エジプト警察の要員たちは、スエズ運河の最高地点に架かるサラーム橋や、南シナイへ至るシャヒード・アフマド・ハムディートンネルのような、シナイ半島の主要な出入り口にも展開し、シナイ半島の観光地の主要な道路や海岸、特にアリーシュやシェイフ・ズウェイド、エジプト領側ラファハの海岸線に重点的に展開した。

 エジプトの治安情報筋は、「このような措置は祝日においては通常のもので、シナイ半島での爆発事故の頻発、特にヒズブッラー細胞の逃亡中の活動家たちが未だに捜索中であるという最近のシナイ情勢を受けてのものである」と発表した。また治安機関は、3人の潜入パレスチナ人の逮捕を可能にする措置を講じたと述べたほか、彼らがイスラエルに侵入、あるいはシナイ南部の観光都市に侵入して爆破を実行するのを防ぐため、国境一帯の治安措置を強化したと語った。

 目撃者によると、警察犬と装甲車で護衛されたイスラエル部隊が、第9国際ポイント以降の国境と、シナイ半島中部の合同国境線をしらみ潰しに捜査していたという。同時に、シナイ半島多国籍軍・監視団(MFO)が通常とは異なる動きをとり、白い最新型の装甲車でラファハやシェイフ・ズウェイドの道路をスピードを上げて巡回している。

 一方で、エジプト治安機関はサラーフディーン国境門から地中海寄りに200m離れたラファハの農地で地下トンネルを発見したが、物資も人員も発見されなかった。また、サラーフッディーン広場のアレキサンドリア銀行裏手にあった別のトンネルでの火災消火に成功した。消防車がその地点に出動し、消火に成功したが、情報筋はトンネル内で燃料が発火したことが火事の原因だと推測する。治安機関は詳細を調べるため、トンネル付近の住民に口頭で尋問を行うかたわら、それら二つのトンネルが破壊されるまでの間、警備を配置した。

Tweet
シェア


原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:16303 )