ドーハ・サミットが閉幕
2009年03月31日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ カッザーフィー大佐の不規則発言の後、サウジアラビア・リビア間の和解が成立
■ イスラエルの行った犯罪への処罰と、ペルシア湾上の島嶼の帰属問題へのイランの回答を要求、バシール大統領に対する逮捕状を拒否
■ 次のサミット会場はトリポリ、イラクは2011年サミットの招致を希望、ムバーラク大統領はサミットを欠席して存在感を示す

2009年03月31日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ドーハ:本紙、バッサーム・アル=バダーリーン】

 カタールで行われていた第21回アラブ・サミットが昨日閉会し、一昨日のアラブ外相会議で準備された決議案の採択と、「ドーハ宣言」の承認、サウジアラビアとリビアの和解が実現した。開会式でカッザーフィー大佐が突如、激しい不規則発言を行ったことで、サミットが台無しになるところだった。

 アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長は、「我々は対話によるアラブ間の対立の解決を強調し、アラブ間関係の強化と、至高の民族的利益 の保持のために働きかけ、アラブの共同作業の促進を呼びかける」「我々は地域および国際レベルで起こっている新しい動きに対してアラブの共同作業を有効化するために、努力の継続を呼びかける」などと、対話によるアラブ間の対立解決を確認したサミット閉幕声明「ドーハ宣言」を読み上げた。

 声明はパレスチナ民衆にエールを送り、イスラエルのガザ攻撃を非難、〔ガザ地区の〕通行所の開放とイスラエルの行った戦争犯罪や侵害の処罰を求めている。また、パレスチナ人の団結実現に向けたアラブの努力をサミットは支援すると表明し、こうした努力に応えるよう、パレスチナ人に求めた。また、イスラエルの入植活動の迅速な停止と、イスラームおよびキリスト教の聖域の保護を要求した。

 また声明はスーダン支援と、国際刑事裁判所の〔スーダン大統領逮捕〕決定の拒否を表明し、「我々はスーダンを支援し、ウマル・ハサン・バシール大統領への逮捕状を拒否する」と述べている。さらに、アラブ・イスラーム国家としてのイラクのアイデンティティと、アラブの理念に即した形でアラブ国民の各層が完全な(政治)参加を果たすこと を確認した。同様にソマリア大統領選挙と暫定政権を歓迎し、ソマリア共和国への全面的な援助の提供を求めた。

 イランとの関係については、声明は大トゥヌブ島、小トゥヌブ島、アブームーサー島の3島の帰属問題について、交渉あるいは裁判所を通じて解決策を見出そうとのUAE提案にイランが応じるよう希望した。また国際社会に対しては、核兵器や大量破壊兵器を中東から根絶するために行動することを求め、平和目的のために核技術を獲得する権利を確認した。

 ムーサー事務局長は、「サミット参加者達はアラブ自由貿易地区の実現と、アラブの統一市場の建設を通じてアラブ経済を強化すること、また国際社会に飢餓・貧困の根絶、国家間の貧富の格差緩和のための行動を取るよう求めることを確認した」と述べた。さらに声明では、若者たちの社会生活への参加と、アラブへの帰属意識の強化、アラビア語の重要性とアラビア語を根付かせ、アラビア語教育プログラムを発達させる重要性が強調されている。

 サウジアラビアのアブドゥッラー・ブン・アブドゥルアズィーズ国王と、リビアのムアンマル・カッザーフィー大佐との間では和解が成立した一方、エジプトがカタールとの見解の相違のためにサミットを欠席したことが、サミットに陰を落とした。また、イエメンのアリー・アブドゥッラー・サーレフ大統領がサミットの非公開会合と閉幕式を欠席したことも注目される。火曜日にはドーハでアラブ・南米サミットが開催される予定で、南米諸国の首脳たちがカタールの首都に到着しはじめている。

(中略)

 イラクは昨日、次回アラブ・サミットを招致する権利を断念し、ヌーリー・アル=マーリキー首相が2011年までの猶予を求めて、「イラクは正常な状況に戻り、アラブの一員に復帰したが、さらなる開催準備のために、サミット開催までにはなお時間が必要だ」と語った。またマーリキー首相はサミットの閉幕声明の一節に留保を示し、そこで語られているのは過去のイラクであって、現在のイラクと、イラクが達成したことについてではないと述べ、イラクで実現されつつある安定の成果を支援するよう、アラブの指導者達に望んだ。

(後略)

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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:16304 )