ハマースが近日中に政治局員選挙、マシュアル氏が政治局長再任の見通し
2009年04月19日付 al-Hayat 紙
■ 組織内選挙の第1段階と第2段階が完了
■ ハマースが1か月以内に政治局メンバーを選出
2009年04月19日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【カイロ:本紙ジャイハーン・アル=フサイニー】
ハマース内部の情報筋から本紙が知り得たところでは、ハマースは「組織内選挙の第1段階と第2段階を完了した」とのことである。同情報筋は、第1段階として「総会もしくは大諮問会議の選挙があり、次に第2段階の小諮問会議の選挙がある」と明らかにした。そして、ハマースの選挙は4年ごとに定期的に行われると明らかにしつつ、「遅くともこの1か月の間に、ハマース政治局の選挙が終了する見込みである」と述べた。
信頼に足るパレスチナの情報筋によると、ハマースの組織内選挙は、大諮問会議選挙、小諮問会議選挙、運営会議ないし政治局選挙の3段階で行われる。同情報筋は「政治局員がハマース指導部の全てではなく、他にも指導的立場の人物たちがいる」と指摘しつつ、その詳細については「ハマースの組織上の事柄については言及する権限がない」として言及を避けた。
同情報筋は、「ハマース内部の選挙は最早秘密事項ではない」と述べ、「ガザでの選挙は一般メンバーから諸地区や組織の責任者に到るあらゆるレベルで行われた」と指摘し、 「ヨルダン川西岸地区では、ハマース幹部の多くがイスラエルの刑務所に投獄されているか、パレスチナ自治政府の治安機関によって拘束されているため、同地区での選挙の実施は困難である」「ムハンマド・ガッザールやハサン・ユースフ、ムハンマド・アル=ナトゥシャなど政治局幹部の殆どが逮捕されている」と指摘した。そして、西岸地区での選挙実施は治安状況から見てあり得ないとを否定し、対応策としては現幹部の任期の延長か、現幹部が代理人を任命するかのどちらかが考えられるとの見方を示した。
同情報筋によると、「小諮問会議は、パレスチナ域内外の各地域、特に西岸地区とガザ地区をそれぞれの割合に応じて代表する25人の幹部から構成」され、「小諮問会議のメンバーが即ち政治局員である」という
同情報筋は、レバノンのハマース責任者であるウサーマ・ハムダーン幹部が政治局員に昇格し、ムハンマド・ナッザール幹部が政治局員の地位を失うことを予測した。政治局での地位を失った者は、組織内で公式ないし組織上の別の任務を与えられ、指導部の委任を受けることになるという。そのような例として(先の対ガザ地区戦争で死亡した)ニザール・ライヤーン氏が挙げられる。ライヤーン氏は選挙で勝利し再選されたが、研究活動に専念するため組織の仕事を辞任した。死亡した際にはハマースのいかなる公式な地位には就いていなかったが、有力幹部の1人であり続けた。
政治局長を務める人物について同筋は、「政治局長を指名するのは政治局メンバーであり、相互の合意と組織の利益に応じて指名が行われる」と述べ、「12年間にわたってその地位にあるものの、ハーリド・マシュアル氏が政治局長の地位にとどまるだろう」と予測した。同筋によると「最近になって、現職の政治局長に3期目の立候補をする権利を与える変更がなされた」とのことで、「ハマース指導者の地位は、基本的に2期までであり、今回変更が行われた」と指摘した。
マシュアル氏の前任者としてハマースの指導者を務めたのはムーサー・アブー・マルズーク副指導者であるが、情報筋はマシュアル氏が立候補し、勝利して再任するだろうと予測している。
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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:16315 )