ファタハとハマース、最後のチャンスとなる和解対話を再開
2009年04月28日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ アッバース大統領、イスラエルをユダヤ人国家とは認めず
■ パレスチナ挙国一致政府への同意を呼びかけ
■ ファタハとハマース、国民和解に向けたおそらく最後の対話をエジプトの後援で再開
2009年04月28日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【カイロ、ガザ、ラーマッラー:アシュラフ・アル=ハウル、ワリード・アワド】
ファタハとハマースは月曜日、エジプトの後援によりカイロで対話を再開した。パレスチナで2年前から続いている分裂状態を終わらせる国民和解の合意に至るための、これが最後の試みになるかもしれない。
MENA(中東通信社)は、4度目となるパレスチナ国民対話は、昼前にエジプトのウマル・スライマーン情報長官も参加して始められた、と報じた。ファタハ中央委員会のとあるメンバーは、話し合いは少なくとも3日間続くと予想される、と明言した。MENAはさらに、匿名のエジプト高官の話として、「対話は最終段階に入りはじめ」、「エジプトは前回の会議で、互いの立場を近づけるための提案を両者に対して行った。彼らのそれへの返答が聞けるだろう」と報じた。
今月4月2日に終わった前回の話し合いのあと、あるパレスチナ側責任者は同じく匿名で、〔挙国一致政府の〕方針をめぐるラーマッラー政府とガザ政府の間の不一致を、各派の代表者からなる委員会を通して調整や解決することが難しい限り、挙国一致内閣の組閣問題は先送りするという新たな折衷案がウマル・スライマーン情報長官から提案されたと述べていた。このエジプト提案の目的は、合意事項については両者に履行させ、残りの問題は総選挙を実施して決着がつくまで先送りすることにあった。
同じパレスチナ側責任者は、こうした調整を行うことによって、パレスチナのさまざまな組織や機関の統合を進め、パレスチナの現場で動きが出始めるよう、出来るだけ成果を出さなければならないとスライマーン長官は強調していたとも述べた。
しかしながらPLO筋によると、PLOはナビール・アムル大使を通じてエジプト指導部に渡した覚書によって、この提案を拒否したのだという。
パレスチナ立法評議会でのファタハ会派の会長で、カイロのパレスチナ対話会議へのファタハ代表団メンバーでもあるアッザーム・アル=アフマド氏は、昨日月曜日、ハマースは未だにアラブ諸国間の不和にとらわれている、と述べた。アル=アフマド氏は昨日、エジプトのテレビ番組でのインタビューで、今日カイロで分断状態の収束に向けて開かれた4度目のパレスチナ対話会議によって、ハマースの態度が変わることへの期待を表明した。
一方で、パレスチナのマフムード・アッバース大統領は昨日月曜日、右派主体のイスラエル新政府の、イスラエルをユダヤ人国家と認めるようにとの呼びかけを拒否した。これは和平実現の主要な障害となっている問題である。アッバース大統領は「しかし私は受け入れない…国家を評するのは私の仕事ではない。我々はこう言ってやった。『我々はただ、イスラエル国とのみ呼ぶ。自分たちをどう呼ぼうが、あなた方の勝手だ。“ヘブライ社会主義共和国”と呼んだっていい。』」
またアッバース大統領は、あらゆる派閥や組織からなる政府〔の組閣〕に合意し、その〔挙国一致〕政府がPLOの履行すべき約束を遵守するよう呼びかけ、「PLOを母体とするその政府は、様々な組織や党派ではなく、国民と国家の生活をよりたやすくするために、PLOのした約束の数々を守らなければならない」との考えを示した。
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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:16386 )