ガザ地区で肉類が極度に不足、“隠れた飢餓”への懸念が広がる
2009年04月25日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ 貧困のために食事の量を減らさざるを得ないガザ住民
■ 「隠れた飢餓」への懸念が広がる
2年前から続くイスラエルによる封鎖が生活のあらゆる面で強化され、貧困ライン以下の生活を強いられるようになったために、人口が密集するガザ地区では、ほんの僅かな肉が入った“こってりした食事”を手に入れることは、大多数の家庭にとって不可能となった。
ガザ地区では人口が増加し、封鎖によって大部分の産業施設が停止して労働者が解雇されたため、貧困と失業が広がっており、“生きる糧”を手に入れることが困難になっている。ガザ住民は古くから、金曜の午後には肉を食べる慣わしで、最近までそれを踏襲してきたのだが、その肉を含めて物価が急上昇したのだ。
住民の大多数はムフスィン・アブーカーミルさんのように、肉類を買えないことに不満を募らせている。封鎖はガザ住民の食習慣を変えてしまった。ほとんどの人々は野菜料理を主に食べているが、もちろんそれも手に入ればの話だ。野菜の価格も上がっているのである。
失業中の建設労働者であるマフムードさんは、10人の家族がいる彼の家庭の収入では肉を買うことができないと語る。裁縫の仕事を始めた彼の妻が、国際的な支援や、毎週“野菜の入ったかご”を提供してくれる国内の団体などから食料を調達しているという。会話に加わった彼の妻は、UNRWA(国連パレスチナ難民救援事業機関)が学校で児童にチーズサンドイッチやビスケット、ジュースを毎日配る代わりに、毎週肉の食事を提供して欲しいと話した。彼女の家ではもう何週間も、鍋に肉のかけらが入れられたこともなく、こってりしたご馳走といっても、1キロもないほどの肉しか食べられなくなったと語った。
貧困の拡大を受けてUNRWAは今年の年頭から、UNRWAが運営する学校に通う難民児童に対し、軽い食事の提供を始めた。報告書によれば150万人におよぶガザ住民の80パーセント近くが国際支援に頼っており、70パーセントが失業中で、その3分の2以上が酷い貧困状態にあるという。
解任されたハマース政府のムハンマド・アル=アガー農業相は、封鎖が原因の“隠れた飢餓”を警告し、ガザ地区はたんぱく質の著しい不足に苦しんでいると語った。そして、この事態は健康状態に直接的に反映されており、『たんぱく質を得る戦い』に突入する準備が必要だと語った。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:飯田桃子 )
( 記事ID:16397 )