クルド人問題解決のため政府トップから出された声明を検討したクルド系知識人たちも「聡明な人物」の方策に好意的な反応を示している。合意の基礎を築くため、まずは非公開の会談が提案されている。
アブドゥッラー・ギュル大統領とレジェプ・タイイプ・エルドアン首相のクルド人問題解決に向けた声明は、「武力に依らない」解決を望むクルド系知識人たちやオピニオンリーダーたちを沸き立たせた。知識人たちはこの状況を「解決のための扉が一部開かれた」と表現し、次の一歩は解決の具体的策を明示する会談になるとしている。またクルド労働者党(PKK)のムラト・カラユランが「聡明な人物」と表現したような、政治家および知識人からなるグループを結成する必要があると述べた。
■参加民主党(KADEP)党首 シェラフェッティン・エルチ氏の談話
問題解決のための第一歩は意志表示であり、その後、決定さらに強固な意志力だ。我々は意志表示の段階にある。次の段階では自由な議論に基づき、皆が方策を提案するべきだ。その後、共通の方策で合意に辿り着ける。大統領が主導してリーダーたちを明確な点で合意させることができれば、議会で各グループはそれぞれのリーダーに続くだろう。しかしこれらを公衆の面前で議論すれば(各人が自己主張して)個人的な言い争いに帰そう。完全に遮断された場所で、掛け離れた意見を互いに近付けることが必要である。
■ 公正発展党(AKP)バトゥマン選挙区国民議会議員 メフメト・エミン・エクメン氏の談話
解決に最も近づいているという興奮と、交渉過程が妨害されるのではという不安が同時に生じている。クルド人問題にはいくつかの要素があり、ひとつの解決策では足りない。解決には協力が必要だ。民主市民党(DTP)と他政党のクルド系政治家ならびに知識人でグループを結成するのもひとつの方法だ。これらの話し合いは非公開でなければならない。これは、議会での審議では与党と野党がそれぞれの立場で対立するに違いないからだ。
■ 元国民議会議員ハシム・ハシミー氏の談話
対話のための回路は開かれておくべきだ。これはDTPだけのためではなく、クルド系のオピニオンリーダーや政治家たちのためにもだ。(中略)山々で数多の政治的試みがあると、問題は解決されない。
■ 作家オルハン・ミルオール氏の談話
この政府に至るまで、問題解決にここまで近付き携わった政府は他になかった。問題解決のため最も重要な政治的チャンスの一つはAKP、もう一つはDTPが議会に存在していることである。相対するものとして解決に向けた良い原動力があれば、トルコ大国民議会(TBMM)は結論に辿り着ける唯一の場だろう。必要ならばイムラル島の住人(オジャランのこと)とさえ会談するべきだ。そもそも過去に接触があった事が今日ではエルゲネコン起訴状からわかっている。だめだったらDTPがある。それもだめだったら、ハサン・ジェマル氏のような知識人が参加すればいい。望めば何でもできる。
■ 作家ナジ・クトゥライ氏の談話
トルコ系はクルド系、クルド系はトルコ系の立場に自らを重ねて考えるのだ。クルド人にしっぽがあるかと見られていた時代を経てきているのだ。もし本当に解決策が優れていれば、DTPまたはPKKとの会談に障害があってはならない。これらの会談を行わないのであれば、知識人たちと話すことができる。解決に向けた会談を誰が行 おうと重要ではない。
■ 元トルコ労働者党(TIP)国民議会議員タルク・ズィヤ・エキンジ氏の談話
ギュル大統領ならびにエルドアン首相の声明からクルド人たちが対話の窓口(となる勢力)をはさまずに解決プロセスにすすめるとの考えを得た。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:川原田喜子 )
( 記事ID:16434 )