イラン大統領がシリア訪問、大統領およびパレスチナ各派幹部と会談
2009年05月06日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ シリア・イラン両首脳、抵抗運動支援を強調
■ アフマディーネジャード大統領、ダマスカスでパレスチナ各派幹部らと会合

2009年05月06日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ダマスカス:カーミル・サクル(本紙)】

 イランとシリアの関係が強固なものであり、諸々の国際情勢の変化を経た今なお両国の立場が確固たるものであるとの明確なメッセージを両国の首脳が発した。シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は、ダマスカスで昨日、イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領との共同記者会見の席上、シリア・イラン関係は自然なものであり、枢軸を構成するというだけの関係ではないと強調し、イランが平和的な核エネルギーを保有する権利にあらためて支持を示した。また、アフマディーネジャード大統領は、「イランとシリアの立場は、地域的にも国際的にもますます強力なものとなっており、地域及び世界の状況は、両国の立場にとって有利な方向へと急速に向かっている」と述べた。

 アフマディーネジャード大統領は昨日ダマスカスに到着し、アサド大統領と会談を行った。今回で同大統領のシリア訪問は3回目となる。

 アフマディーネジャード大統領は、国際秩序の再構築にイランが寄与する必要性を強調した。また、あらためてイスラエルを非難し、「シオニストは有害な細菌の温床」であり、シオニズムとは「占領、侵略、大量虐殺」と同義であると述べた。

 また、アサド大統領との会談後に行われた共同記者会見で「我々はシオニストを有害な細菌の温床であるとみなしている」と明らかにし、「このシオニズムは、脅迫と敵意と拷問と大量虐殺のために生み出された。彼らは人種差別を行っている。したがってパレスチナの抵抗運動を支援することは、人間として、また人民としての義務である」と述べた。また、「幸いにも、シリアとイランは一致団結して抵抗運動を支援しており、これからも常に抵抗運動の味方だ」と付け加えた。

 アサド大統領は、近年シリアとイランがとってきた立場におけるヴィジョンの正しさを強調し、イランの核兵器計画の存在をめぐる疑惑について取り沙汰されていることに言及した。そして、そのような疑惑を提起する勢力に対して、イスラエルの核計画については自分たちが何をしているのか明らかにするよう求めた。またパレスチナ問題に関してアサド氏は、「安定について語るならば、パレスチナ問題について、イスラエルの虐待、殺人、テロによるパレスチナ人民の苦しみについて無視することはできない。パレスチナの抵抗運動や、パレスチナ人民の不屈の闘いを無視することはできない」と強調し、「今日の会談において、パレスチナ人民の不屈の抵抗運動、名実相伴う真の抵抗運動を支援する方策に議論が集中するのは自明のことだ」と述べた。また最近のイラク情勢、とりわけ地方選挙ついて「イラク国民がイラクの一体性を欲していることの明確な印である」との見方を示した。一方でアフマディーネジャード大統領は、「イランとシリアはイラクの安定と安全を歓迎する。統一イラクは、中東の全ての国々の利益だ」と述べ、治安上の混乱や地域的諸問題は占領の存在に起因するものだとの見解を示した。

 パレスチナ抵抗運動諸派最高フォローアップ委員会のハーリド・アブドゥルマジード事務局長が明らかにしたところによると、アフマディーネジャード大統領はシリア訪問中、ダマスカスに拠点を置くパレスチナ諸組織の幹部らと会合を行った。

 アブドゥルマジード事務局長は、会合は「イスラエルの過激派とベンヤミン・ネタニヤフの人種差別政府に対する明確なメッセージとなるだろう」と述べた。

 この会合には、ハマースのハーリド・マシュアル政治局長、パレスチナのイスラーム聖戦運動のラマダーン・シャッラハ書記長、パレスチナ人民解放戦線総司令部派(PFLP-GC)のアフマド・ジブリールしょきちょうなどの要人が参加した。

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:16457 )