ガザ地区のトンネルにイスラエル軍が爆撃、2人死亡
2009年05月03日付 al-Hayat 紙

■ ガザ:攻撃2日目に死者2人、緊張つづく
■ ハマースは諸組織に停戦順守を要請

2009年05月03日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)

【ガザ:ファトヒー・サッバーフ(本紙)】

 ガザ地区を緊張と不安が覆っている。ガザ地区では昨日、2日連続でラファハ地区の国境トンネルを狙ったイスラエル軍の空爆によりパレスチナ人2人が死亡し、治安状況が悪化している。この爆撃と連動して、イスラエル軍によるガザ地区北部への限定的な侵攻が行われ、加えて南部の農場への発砲も行われた。

 イスラエル軍は、「ガザ地区から発射されネゲヴ西部地区の入植地評議会のあるシャール・ハネゲヴ(Shaar Hanegev)に落下したロケット弾に対する反撃として、トンネル3ヶ所をミサイルで爆撃した」と確認した。このロケット弾についてパレスチナ側の実行声明はなく、どの組織が発射したのかは不明である。その後、パレスチナの医療関係者はAFPに対して、「イスラエルによる爆撃の結果、トンネル内でパレスチナ人2人の遺体が発見された」と発表した。目撃者は、「空爆のあった時、殺害された2人はエジプトとの国境近くのブラジル地区のトンネルの中にいた」と述べた。

 ガザ住民たちは、ガザの状態が昨年末のイスラエルの対ガザ戦争の前の状態に戻るのではないかと危惧している。イスラエルの右派政権がロケット弾発射への報復の名のもとに、ガザ地区に対する軍事的攻撃を激化させることを恐れているのである。同時に住民たちは、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がアメリカのバラク・オバマ大統領と会談するためにワシントンを訪問した後、米政権とイスラエル政府の間で予想される対立を解決するために、ガザがその流血の舞台と化すのではないかと恐れている。

 パレスチナ消息筋は本紙に、「エジプトはここ数週間の間に、ガザの解任された政府とハマースに対して、イスラエル側の『ネタニヤフ政権はロケット弾攻撃が続く場合は軍事力を持って反撃する』とのメッセージを伝えた」と明らかにした。同消息筋は、「ハマースも先月21日にイスラーム聖戦、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)およびパレスチナ解放民主戦線(DFLP)と行った抵抗4組織の会合の中で、このメッセージの内容を伝えた」と付け加えた。ハマースはこの会合で各派に「国民の利益のためにも、パレスチナ人民にこれ以上の苦難を背負わせてはならない」と停戦の遵守を求めたという。また同消息筋によると、4組織のいずれもがこのロケット弾発射について関与を否定している。DFLPは停戦を順守する立場を示しており、イスラーム聖戦とPFLPは現時点ではロケット弾発射を行っておらず、反撃に猶予期間を設けることを要請しているという。

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:16463 )