ハマース、停戦とパレスチナ国家樹立に関して柔軟姿勢を表明
2009年05月10日付 al-Hayat 紙

■ ハマース、オバマ大統領への政治書簡で、停戦と国家建設支援の用意を表明

2009年05月10日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)

【ダマスカス、ガザ:ヌールッディーン・アル=アウサル、ファトヒー・サッバーフ(本紙)】

 ハマースは、アメリカのオバマ大統領に対して、停戦と和平プロセスについて柔軟に対応する意向を間接的に示す政治的なメッセージを発した。ハマースのハーリド・マシュアル政治局長は、ハマースと抵抗諸組織は「1967年の境界線に基づくパレスチナ国家を建設する意思が国際的、地域的レベルで存在する」ならばこれを「支援するだろう」と表明した。また、解任された[ガザのハマース]内閣のターヒル・アル=ヌーヌー報道官は、ハマースにイスラエルとの停戦順守の用意があることを公表した。

 マシュアル氏は、昨年ダマスカスで開催された「パレスチナ国民会議」の最高フォローアップ委員会が開いた記者会見で、ハマースとパレスチナ抵抗勢力の大多数が「2006年の国民合意文書を通して、1967年の領域全体に、全入植地の解体後、エルサレムを首都とする完全な主権を有するパレスチナ国家を建設することを受け入れている。帰還権が実現され、地上と上空、国境、各通行所の完全な主権を有する国家でなければならない」と述べた。またマシュアル氏は、イスラエル国家の承認、イスラエルとの間で調印された合意の承認、暴力の放棄という条件について、「4者委員会(カルテット)の示す条件については依然反対である。それはその条件が不公正なものだからであり、パレスチナ内部和解プロセスをこの条件によって規定することは認められない」と強調した。

 また一方でマシュアル氏は、最近マフムード・アッバース自治政府大統領が発表した拡大内閣の首相にサラーム・ファイヤード氏を任命するとの提案が再度示されていることについて、ファタハとハマースの間で今月16日に開催される予定の「対話を妨げ停滞させるものである」との見解を述べた。

 ガザでは昨日、解任された内閣が、エジプトのホスニー・ムバーラク大統領とイスラエル極右政権のベンヤミン・ネタニヤフ首相が明日(11日)にシャルム・シェイフで行う予定の会談を先取りし、停戦順守の準備があることを発表した。ヌーヌー報道官は本紙に対し、「当政府は、諸組織が停戦というステップを踏み出すことを決定するならば、占領軍との停戦が成立した場合、国民合意を順守する」と発表した。

 この発表は、ムバーラク大統領が、ネタニヤフ首相に停戦合意の受け入れについて納得させる手助けになるだろうと予測される。この停戦合意は、3ヵ月以上前にエフード・オルメルト前政権のもとで諸抵抗組織とイスラエルが取り決めたものだが、発効予定の数時間前に履行の拒否が発表されたものである。

 来月初めに中東地域を訪問する予定のオバマ大統領に向けられたものと見られる発言の中でヌーヌー氏は、「当政府は、占領の終結と封鎖の解除が、中東地域の安定と、人民に正当な権利を回復させる和平達成を実現する鍵だと考えている」と述べた。そして、「私たちは、分裂状態を終結させ、国民和解を実現するパレスチナ内部合意を達成するためのエジプトの努力を支持することを確認する」と付け加えた。

 そして、オバマ大統領とネタニヤフ首相に再度言及しつつ、「当パレスチナ政府は、国民対話や停戦、中東地域の安全と安定を目指す取り組みなどいくつもの局面においてエジプトが行っている努力をつぶさに見守ってゆく」と述べた。

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:16471 )