MHP、エルドアン首相に反発、「オルハン・パムクのように話している」
2009年05月25日付 Radikal 紙

エルドアン首相が「我々の国から、長年、異なる民族のアイデンティティを持った人々が追放されてきた。実際これは(社会の)ファシズム的傾向の結果であった」という趣旨の発言を行ったのをうけ、民族主義者行動党の会派代表代理オクタイ・ヴラル氏は、強い反発を示した。

民族主義者行動党の会派代表代理オクタイ・ヴラル氏は、エルドアン首相の「我々の国から、長年、異なる民族のアイデンティティを持った人々が追放されてきた。実際これはファシズム的傾向の結果だった」という趣旨の発言に反発を示した。ヴラル氏は、トルコ国民の歴史の中では、人を虐げたり過剰な取り立てを行う税吏の例は無かったとし、「首相はオルハン・パムクのように語った」と述べた。エルドアン首相に「(シリア国境の)地雷(撤去)計画を中止するよう」呼びかけたヴラル氏は、「首相はダボス会議での「One Minute!」発言のあと、「お詫びの品」としてこの法案にしがみついている」と言い、「独立戦争以前のセーヴル条約の頃が恋しいのですか?」と首相に尋ねた。

ヴラル氏は、議会で行われた記者会見で、国会の協議事項である、トルコとシリアの国境地帯の地雷除去と入札手続きに関する法案と、エルドアン首相の「我々の国から、長年、異なる民族のアイデンティティを持った人々が追放されてきた。実際これはファシズム的傾向の結果だった」という趣旨の発言を批評した。ヴラル氏は、エルドアン首相の地雷除去と民族浄化に関する発言は驚くべきものだと表明し、民族主義者行動党としては、地雷除去は正しいが、当地雷が取り除かれる予定の土地が外国の農業企業に与えられる点に反対しているのだと述べた。法案を「土地を他人に与えることを目的とした」ものと位置づけるヴラル氏は、「この入札のために法律が作られている」と述べた。同氏は、政府の目的が地雷除去ではなく、シリア国境地帯の土地を外国人に管理させることだと述べ、首相の「民族浄化」に関する発言については以下のように批判した。

「我々を民族浄化支持者、民族主義者であるとして非難した首相のこの発言は、自身の精神世界を反映している。トルコ国民はこの土地を管理できないほど脆弱なのか?農業のための計画実行は必要なのか?これは、分割、分離を目指す民族主義的な手法の表れだ。首相はトルコ国民がこの土地を管理することがなぜお嫌なのですか?それはあるいは、トルコがトルコ国民には任せられないほど大切だからですか?首相は何ゆえ自国民に禁止を命じるのか?首相の本心が明らかになった。首相の本当の目的は地雷除去ではない。首相はダボス会議での「One Minute!」発言のあと、「お詫びの品」としてこの法案にしがみついている」

■ 「首相はオルハン・パムクのように話した」

ヴラル氏は、トルコ国民について見当違いな見方をしているとしてエルドアン首相を非難し、首相の言葉を「委任統治」精神の典型的な表れだと批判した。またトルコが国土を外国人に貸し出すところまで来てしまったとし、首相の言葉について「トルコ国民に対する中傷、侮辱」だという表現を使った。トルコ共和国の国境がローザンヌ条約によって定められているとするヴラル氏は、首相に、「独立戦争以前のセーヴル条約の時代を懐かしんでいるのですか?大アルメニア構想のためにヴァン、エルズルムを攻撃した人々に対してその時期にとられた措置を民族浄化とみなすのは、誰の肩を持つことですか。この国家の歴史のどの時代も民族主義的ではないし、我々の歴史に、過剰な取り立てを行う税吏や人を虐げた事件は存在しない。首相はオルハン・パムクのように話した。首相、地雷除去のために歴史を汚すことは適切ではありません。首相はイズミルについて「非ムスリムのイズミル」と言ったが、今さら過ぎ去った日々に戻りたいのだろうか?これらのことはトルコ共和国首相にふさわしくない」と話した。

■ 「地雷をクルド労働者党に売ったのは誰か?」

ヴラル氏は対人地雷が重大な問題だと強調する中、「これらの地雷は倉庫にあるものを含め記録に基づいて破壊することが必要で、破壊に同意した人々の倉庫には対人地雷があるのか、もしなければクルド労働者党に売ったのは誰か?」と尋ねた。

ヴラル氏は、エルドアン首相が常に、自身の内面に生じる変容、変化、葛藤のまま国民と身内以外の人間をけなし、貶めていると表明し、法案が要請に沿って修正されれば、議会を満場一致で通過する見込みであると述べた。首相に、「地雷地帯とトマト畑は混合させないことが必要だ」と言ったヴラル氏は、政府が法案を引き下げることを望んだ。

■ 「どうか正気になってください」

ヴラル氏はある質問に受けて、無任所大臣のエゲメン・バウシュ氏が、EUに向けた「理想の姿はタイイプ・エルドアンか、オサマ・ビン・ラディンか?」という言葉も批判した。ヴラル氏は、「どうか正気になってください。これは何という考えか。民主主義国家の、レジェプ・タイイプ・エルドアン総理ですよ。トルコ国民の38%の票を獲得しました。もう片方は銃を握り銃弾を放つ人。自分たち自身を美化するようつとめているということだ。エルドアンとオサマ・ビン・ラディンを比較してトルコ国民に不当なことを働き、この国民が投じた票にも不当な扱いをしている。これはトルコ国民に対する侮辱であり、適切な比較でない」と話した。

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( 翻訳者:下中菜都子 )
( 記事ID:16532 )