エジプト、ナイル川の水資源分配協定の交渉を再開へ
2009年05月26日付 Al-Ahram 紙

■ ムバーラク大統領、ナイル川水資源分配問題の展開を注視
■ 水資源分配協定に関する対話をアレキサンドリアで来月再開
■ アッラーム大臣:「ナイル流域諸国の意思決定へ影響を及ぼそうと狙うイスラエルの動きがある」

2009年05月26日付アル・アハラーム(エジプト)HP1面

【カイロ:イスラーム・アフマド・ファラハート】

 ホスニー・ムバーラク大統領はナイル川流域諸国協定問題の展開を注視しており、来月エジプトはナイル川流域各国の水問題担当大臣をアレキサンドリアに招いて、水資源分配管理イニシアチブの大枠と機構に関する協定および、上流8カ国[=タンザニア、ブルンジ、ルワンダ、ウガンダ、コンゴ民主共和国、ケニア、エチオピア、スーダン] 間の協力をめぐる交渉を再開する。

これまでにエジプトは、現状のままでは協定への調印を拒否するとの立場を公にしている。ナイル川の水資源に対するエジプトの歴史的権利が明確に言及されていない上、今の案は流域諸国で行なわれる水資源利用計画は全て、エジプトの国益に影響しないよう、協議が必要だとするエジプトの姿勢に反するためだ。同様に流域諸国の水の権利に関わるいかなる決定も、多数決ではなく、全会一致での承認が必要であり、もし多数決で承認されるとするならば、エジプトとスーダンは下流に位置するということを考慮して、両国の票は必ず保障されるべきであるというのがエジプトの立場である。

  昨日ムハンマド・ナスルッディーン・アッラーム水資源・灌漑大臣は以上のように明かした上で、ナイル川の水資源と、交渉中の協定の問題はムバーラク大統領に報告されており、大統領は個人的かつ慎重にこの交渉の展開を見守っていると強調した。またアッラーム大臣は、コンゴの首都キンシャサでの会合で行われた交渉の流れが余すことなく記録された報告書をムバーラク大統領に提出したと指摘した。

 昨日の記者会見で大臣は、「流域諸国間の見解の違いは、エジプトとこれらの国々との歴史的関係に影響を及ぼすものではない。エジプトはこれらの国々に対する技術的・文化的・保健衛生的・教育的支援を続ける」と発言し、「協定の全当事国への水の安全保障を含む合意案に到達する時まで、エジプトは年間555億㎥に達するナイル川水資源の歴史的な配分を断固として保持する」とも強調した。また、一部のナイル川流域諸国の立場に影響を及ぼそうと狙うイスラエルの動きを、エジプトは監視している」と明言した。

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