エジプト政府「中東地域で脅威がどれほど多様化しようとも、パレスチナ問題は今後もエジプトの最優先課題」
2009年06月01日付 Al-Ahram 紙
■ 「中東地域において脅威がどれほど多様化しようとも、パレスチナ問題は今後もエジプトの最優先課題であり続ける」
■ ムバーラク大統領、カイロで行われる予定のオバマ演説の内容に最大限の関心を向ける
■ 拡大閣議 で大統領、人民議会における女性議員数の増加 案を検討
2009年06月01日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
昨日ホスニー・ムバーラク大統領はヘリオポリスの大統領官邸で、女性のエンパワーメント と人民議会における女性議員数の増加のための法案 の検討 を目的とした拡大閣議を招集した。
閣議後にスライマーン・アウワード大統領府報道官は、記者の質問に答えつつ、次のように明言した。「エジプト政府は中東地域を取り囲む危険や脅威がどれほど多様化しようとも、今後もパレスチナ問題を最優先課題とし続けることを確認した」「また、ムバーラク大統領が高官たちとの会談で常に表明しているように、中東は和平と安定を求めており、和平の第一歩は公正な解決とパレスチナ国家の建設、パレスチナ国民と難民の苦難解消 、二国家解決案とアラブ和平提案 に基づく和平の正当性の遵守に始まることを確認した」。
さらにスライマーン報道官は「ムバーラク大統領は、カイロで行われる予定のイスラーム世界に向けたアメリカのバラク・オバマ大統領の演説内容に最大限の関心を向けている。そしてエジプトは、イスラーム世界と米国との関係の中核に位置する中東和平問題に対する真摯な歩み寄りが演説に含まれており、それによってアラブ人やイスラーム教徒とアメリカとの関係を正しい道に引き戻す新たな1ページが開かれるよう望んでいる」と語った。
一方、イスラエルがイランの核問題 を米政権の最優先課題にするよう要求したことについての質問に答えた報道官は、「エジプトはゲームのカード を混ぜこぜにはしない」と述べて、ムバーラク大統領はイスラエル首相と会談した際、「民兵やよく知られた諸勢力を通じて湾岸や中東地域での権威を拡大したり、覇権 を確立したりしようとするイランの政策にエジプトは反対する」と明言したと同時に、「イスラエル国家のユダヤ性なるものをエジプトは断固拒否する」と断言して、宗教と政治を混同することの危険性に警告を発したと指摘した。
また、報道官は「エジプトはレバノンの安定や平和、安全保障を支援する」と述べて、「次のレバノン選挙は自由で清廉で、国民の選択を反映したものとなるだろう 。内政に干渉することはエジプトの政策とも行動計画とも相容れない」とも語った。
(後略)
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( 翻訳者:神田春奈 )
( 記事ID:16705 )