「AKPとギュレン運動撲滅計画」文書とエルドアン首相―Faruk Bildirici分析
2009年06月17日付 Hurriyet 紙
タイイプ・エルドアン首相は「公正発展党(AKP)とギュレン運動撲滅計画」文書問題について何を信じているのだろうか。文書が本物かまたは偽造されたものであることをなのか。もしくはこの問題の捜査の終結を待つことにあるのか。
このことを理解するのは至難の技だ。なぜならエルドアン首相は相反する2つの態度を示しているからだ。昨日(16日)の公正発展党会議では「AKPとギュレン運動撲滅計画」文書が偽物である可能性が議論されたが、今日(17日)のエルドアン首相はそれを無視する次のような発言をした。
「注目してください。先週、ある新聞で我々の政党に対していくつかの秘密計画が実行されるとの記事が掲載されました。次のことをはっきりと明確に言います。もしこれらの記事が真実でなかったら、そして国家機関を対立させ、国家のいくつかの機関を打ち壊し、緊張状態を生み出すことを目的としているのならば、事態は深刻です。もし記事の主張が正しいとしたら、問題は更に深刻です。事実、参謀本部は報道が初めに流れた時からずっと、責任と分別のある態度を示してきました。」
この発言を、ヒュッリイェト紙の見出しのように「偽物なら深刻、本物であれば更に深刻」と要約することもできる。エルドアン首相は、イルケル・バシュブー参謀本部長との会合の約30分後、この発言をした時点では、いずれの選択肢も持っていたといえる。
■文書が本物であることが証明された
さて、昨日(16日)午後8時ころアンカラ共和国検察庁に公正発展党として提出された提訴文では何が主張されたか。
「…報道が扱った文書に記載され、犯罪にあたる表現には、我々の政党が、トルコ国内や世界で、特殊な位置付けをされるような意図があると思われます。
我々の政党の権利が侵害される一方で、中傷活動を行うと計画し、この活動の実現に向けて違法な作為により犯罪組織化する段階に入ったことが報道から伺えます。」
3ページの提訴文の中で、文書が偽物である可能性は一切言及されなかった。参謀本部軍検察局は、更なる刑事捜査が行われる前に、「文書が、参謀本部のいかなる部署においても作成されたものではないという結論に」至った。提訴文を見ると、公正発展党としても、捜査が終わる前に、すでに文書が本物であるという結論に至ったようだ。
■混乱
しかし、エルドアン首相は昨日(16日)2度、ジェミル.チチェキ副首相、ベキル・ボズダー会派代表代理、イドリス・ナーイム・シャーヒン氏と集まり、この提訴文に目を通し、首相がサインするのか否かを検討した。結局、シャーヒン氏がサインすることに決まった。
最も重要なのは、エルドアン首相が、19時の最後の会合の後でも、提訴文の変更を行わせたことだ。結果を見てみると、会合では、文書が偽物である可能性を示唆するような一切の表現を載せたくなかったようだ!さて問題は、どちらがエルドアン首相の真意を反映しているのかということだ。グループ会合での意見か、提訴文か。
この件で混乱があったことは確実である。なぜならエルドアン首相は昨日も科学技術高等委員会の会議を終えて出てきた際、提訴文について次のようにコメントした。
「偽物か本物か。今はそれを注視する段階です。それから、犯人を探す段取りとなります。」
驚くべき発言ではないか。まるで他人が提訴文を書いたかのようだ。エルドアン首相は提訴文の中身を知らないように思えてしまう。
(翻訳者:三村麻衣)(記事ID:16722)
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