80年クーデター・エヴレン元将軍を法廷へ―CHP提案の成り行き
2009年06月25日付 Hurriyet 紙

「1980年クーデターを裁こう」という共和人民党バイカル党首の発言に、「ご冗談でしょ」と論評したエルドアン首相に対し、バイカル党首が緊急対応!バイカル党首は、憲法改正のため、党の委員会に指示をだした。2党の幹部が会見し、その後、バイカル党首は記者団の前に姿を現した。

参謀本部が作成したといわれている「AKPとギュレン運動撲滅計画」に関して、首相のタイプ・エルドアンの会見を批判したCHP党首のデニズ・バイカル氏は「ほんとうに本気なら、1980年クーデターの首謀者たちを裁く道を開け」と話した。

これをうけ、今日アルバニアへ行く際、質問に返答をしたエルドアン首相は、この件(1980年クーデター)について言及したバイカル氏に対し「この不快なジョークには答えません。私たちは真剣な対応策を待っている」と返答した。エルドアン首相の返事を聞いたバイカル氏はというと、真剣さを示すために党の職員たちに指示を与えた。

CHP会派代表議員は、AKPに対し、会見を求めた。13時にはじまった約40分間の訪問で、野党の代表団は、与党に対し、憲法の臨時第15条の廃止のための活動を開始する提案をした。

■AKP:憲法全てを変えましょう

CHPから11時頃に届いたこの働きかけに対し、AKPは迅速に対応した。会派代表のムスタファ・エリタシュ氏は、野党第一党のこの働きかけに対し、「CHPはまず法案を準備し、その後我々にサインを求めればよい」とのべた。エリタシュ氏は一月程前は憲法改正のための委員会にメンバーすらださなかったCHPが、今日このような動きをすることは結構なことだと、皮肉をこめてのべた。エリタシュ氏は、「バイカル氏は、「ひとつの文字を変えることさえ認めない」といったいたのに、そこからここに至ったことは素晴らしい」と話し、「しかし我々にも提案がある。1980年クーデター思想が生み出し、今も民主主義を脅かしている全ての障害も一緒に取り除くため、新しい憲法を作ろうではないか」と話した。

■寡黙なエヴレン氏

1980年クーデターのリーダーだった元大統領ケナン・エヴラン氏は、CHPの試みに関したコメントを行なうことはさけた。エヴラン氏は現時点で声明をだすつもりはないという。

■AKPは本件を検討する

13時に行なわれた会議の前に、法務大臣サドゥッラー・エルギン氏とCHP会派代表ハック・シュハ・オカイが会見した。シュハイ氏はその後、AKP会派代表らと会った。会合の後、AKP議員のボズダー氏は「この話題は我々の政党で検討することになる」と述べた。オカイ氏は長い会見を行なった。以下がオカイ氏の会見の内容である:

○我々は憲法臨時第15条を削除する試みに参加する準備はあると、CHP側に伝えた。
○AKP会派代表は、この方向で各方面の組織と今後会合をもち、会見の結果はなるべく早く私たちにも伝えられる。
○憲法臨時第15条は1980年クーデターが生み出した諸法を守り、法治国家の実践の障害となっている条項である。法や立法の手続きに違反し、一時的なものとして憲法上に組み込まれ、しかしその後、継続性を獲得した条項である。
○この条項はクーデターと、その首謀者を守っている条項である。トルコにおいて市民政治とクーデター発想が議論されているこの時期に、立法機関である議会は、自分たちにわりあてられた義務を話さなくてはならない。
○さらにいえば、これは、CHPとCHPの党首バイカル氏がはじめて表明した問題ではない。バイカル氏は1993年の3月にも、自身のサインして、憲法臨時第15条削除のための提案を大国民議会議長に行なっていた。同じように1998年にもCHPが憲法を改正しようとしたが、そのときにもこの条項の件は入っていた。またバイカル氏は2006年2月28日に行ったスピーチでも、憲法第15条削除に関して触れている。

■クーデター関係者を守っている条項

1980年クーデターの間に発布された669件の法律、90件の法細則、76件の評議会決定は、憲法の臨時15条に守られて司法の監督の外に置かれている。このため、クーデターの時期におこなわれた不適切な行為やそれを実行した人々は裁かれていない。しかし、世界中のトルコのようにクーデターの経験をもつ国の多くでは、何年もたったのち、クーデター首謀者を裁き、有罪としている。

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( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:16793 )