ビトゥリスで開催の「東アナトリア祭」開会式における、黙祷・国旗・国歌・・・
2009年07月01日付 Milliyet 紙
いわゆる「革命戦死者」への黙祷の際、郡知事のシェフィク・ギュルディビは起立しなかった。
ビトゥリス県タトヴァン郡で、タトヴァン郡と民主市民党(DTP)知事が市長をつとめる市当局が主催する第41回タトヴァン東アナトリア祭で「黙祷」事件が起こった。
開会式で、ムシュ県選出の民主市民党スッル・サクク議員、M. ヌーリー・ヤマン議員、ビトゥリス県選出の同党ネジル・カラバシュ議員と党員らは、いわゆる「革命戦死者」への1分間の黙祷で起立したが、郡知事のオルハン・シェフィク・ギュルディビや郡庁の公務員、一部の市民団体代表者らが起立せず、着席していたことは、奇妙な光景となった。行進の際には、イヴェント運営会社の関係者だと名乗るヒュルヤ・ダー氏が、祭の旗のみを掲げるべきであり、トルコ共和国旗をしまうようにと地方警察を促したが、それは実行されなかった。
■ 市長を苛立たせた「黙祷」
タトヴァン郡と民主市民党の知事が市長をつとめる市当局が共催したタトヴァン東アナトリア祭は、今日(1日)午後7時半、第41回目となる開会式を迎えた。ムシュ県選出の民主市民党スッル・サクク議員、M. ヌーリー・ヤマン議員、ビトゥリス県選出の同党ネジル・カラバシュ議員、オルハン・ギュルディビ郡知事、民主市民党のアブドゥッラー・オク市長、そして約1500人が開会式に参集した。タトヴァン市役所前に終結した市民は、祭(フェア)の開催地まで3km行進をした。しかし行進中、集団は途中で二つのグループに分裂した。片方のグループは民主市民党派から成っていた。
前方のグループでは、オルハン・シェフィク・ギュルディビ郡知事、民主市民党アブドゥッラー・オク市長、郡庁幹部ら、市民らが巨大なトルコ共和国旗を掲げて行進した。
その約300m後ろには、ムシュ県選出のサクク議員、ヤマン議員とビトゥリス県選出のカラバシュ議員、民主市民党派の人々によるグループが行進をした。このグループが行進の際、「愛国民主青年同盟」と書かれた横断幕が揚げられたことが目についた。
■ イヴェント運営会社関係者、トルコ共和国旗に反対
タトヴァン東アナトリア祭の開会式を請け負うディヤルバクル県の会社の社員とされるヒュルヤ・ダー氏は、行進中のトルコ共和国旗について妨害を試みた。トルコ国旗をもったグループの近くにやってきたヒュリヤー・ダー氏は、地方警察官に、「この旗に何の用があるの。さあ、なんとかしなさい。」と促した。警察官はヒュルヤ・ダー氏に「私はそのことに口を挟むことはできません。あなたには指図する権利はありません」と返答した。
これに対しダー氏は、「トルコ共和国旗ではなく、祭の旗のみ必要です」と言った。この時、その場に居合わせた市民が、「この旗のいったい何が、あなたを不快にさせるんだ」と会話に割り込んだ。民主市民党派であると思われるもう一人の市民は、「それが何であれ、不快なものは不快だ」と述べた。この問答の後、ダー氏は、国旗を掲げる若者達に「いいえ、だめです。しまいなさい」と言った。そして警察官に向き直り、「なんとかしなさい」といった。
居合わせた民主市民党員らが、クルド語でダー氏をなだめようとした。ヒュルヤ・ダー氏はその場から遠のき、緊張状態が高まる前に事態は終決した。その後、行進に参加した2グループが祭の会場に入った。
■ 国歌は歌われず
開会式でも奇妙な光景が見られた。今年の開会式では国歌が歌われなかったのである。民主市民党員らが、いわゆる「革命戦死者」への黙祷を捧げたのみであった。この時、ムシュ県選出のサクク議員、ヤマン議員とビトゥリス県選出のカラバシュ議員、オク市長、その他の民主市民党市役員らが起立して黙祷をする一方で、シェフィク・ギュルディビ郡知事は起立しなかった。来賓席で起こったこの事件は大変な注目を集めた。ギュルディビ郡知事と一緒に開会式に参席した郡庁幹部や、一部の市民団体代表者、村長らも、黙祷の際、郡知事同様に起立しなかった。特にそのことで揉め事となることなく、黙祷のあと、開会式に移った。
■ クルド語でのアナウンス
タトヴァン東アナトリア祭の開会式式辞を行う予定の民主市民党アブドゥッラー・オク市長は、クルド語のアナウンスで、演壇に呼ばれた。オク市長は、今年は以前とは違うイベントの実施を目指していることを述べ、次のように続けた。「コンサート、展覧会、パネル展示、映画上映等、たくさんの文化的、芸術的な活動を行います。昨年までの、公的団体のスタンドや、ラフマージュン屋(トルコ風ピザ)、ドゥルム屋(ラップサンド店)とは違い、今年はみなさんに親しみのあるアーティスト、映画やキュメンタリーの上映、地元地域の衣服展示など、様々な分野でパネル展示が行われます。」
■ 民主市民党員、郡知事に拍手
オク市長の次に、オルハン・シェフィク・ギュルディビ郡知事は、まずクルド語で、その後トルコ語のアナウンスにより演壇に呼ばれた。ギュルディビ郡知事は、壇上に上るとき、民主市民党員らが拍手をしたことも注意を引いた。ギュルディビ郡知事は、この町の美しさに触れ、共生のメッセージを伝えた。ギュルディビ郡知事は、タトヴァン市が東アナトリアの真珠のような存在であることを述べ、次のように続けた。
「多様な自然の美しさ、人々の温かさにおいて、ここに優る場所はありません。タトヴァン市民にサービスを提供することは、私達が最も名誉に感じることです。メヴラーナの様に愛をもって抱擁しあった時、また互いの小さな違いで互いを分けない時、それに相応しい結果が得られるでしょう。私達はメヴラーナの子孫なのです。タトヴァンに関係する多くの重要なプロジェクトがあります。タドヴァン市を、健康と観光の中心地にしようと思います。私達が、もつ力を分散させるのではなく、集結させた時、また何かを人に無理やり押し付けようとすることをやめる時、そして愛をもって抱擁した時に初めて、タトヴァンはタトヴァンとなるのです」
演説の後、オルハン・シェフィク・ギュルディビ郡知事、国会議員、市長によるテープカットが行われ、第41回タトヴァン東アナトリア祭が始まった。6月30日から7月20日の間、開催される祭では様々なイベントが行われる予定である。
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( 翻訳者:三村麻衣 )
( 記事ID:16847 )