【事件部】2人の子供に暴力をふるい、物乞いをさせて麻薬購入の費用を集めさせていた麻薬常習者の男が、テヘラン警察によって逮捕された。
《ジャーメ・ジャム》の報道によると、先週、テヘラン中心部の団地に住む住民から110番警察緊急センターに、近隣に住む男が2人の子供に暴力をふるっては、物乞いをさせているとする内容の通報があった。
通報を受け、テヘラン捜査警察の捜査員らはこの男が住む地区に急行、通報した男性の情報が正しいかどうかについて、捜査を開始した。その結果判明したのは、その男が麻薬を常習し、毎日2人の子供に暴力をふるっていることに、団地の住民全員が心を痛めていることだった。
問題が明らかになったことを受け、捜査員らは司法の許可を得て、サイード〔子供たちに暴力をふるっている男〕の住むアパートに立ち入り捜査を行った。すると、住居の一室に男の子と女の子が監禁され、泣きながら助けを求めていることが分かった。
家で子供2人を監禁
捜査員らは子供たちを落ち着かせた後、捜査を続けるため、警察署に子供たちを移した。
ヴィーダーと兄のベフルーズは、「また街の通りで物乞いをさせられるので、麻薬中毒の父親のところに自分たちをもどさないで」と捜査員らに訴えた。
2人の子供が通りでの物乞いの秘密を暴露
二人の子供のうちの一人ベフルーズは警察に、「麻薬の常習者であることを理由に、母は父と離婚してしまいました。仕方なく、僕と妹は父と一緒に暮らさざるを得なくなりました。父は僕と妹をひどく殴り、僕たちに物乞いをさせて麻薬のためのお金を用意させました。初めはイヤだといって拒否しましたが、父は妹を串(くし)で叩いたり、妹の体にタバコの火を押しつけたりしました。そのため、物乞いをして父のためにお金を稼ぐしかなかったのです」と述べた。
この幼い男児は、さらに以下のように続けた。「父は、僕と妹をテヘランの通りに連れて行き、夕方に迎えに来てました。稼いだお金が少ないと、家に帰ったあと僕たちは父に殴られ、部屋に監禁され、夕食を食べさせてもらえませんでした。毎日、最低でも5,000トマーン〔約500円〕は、稼がなくてはいけませんでした。それができないと、父の暴力は止みませんでした」。
「何をやっても、父は僕たちが母と会うことを許してはくれませんでした。父の麻薬中毒のせいで、僕たちの生活は滅茶苦茶になってしまいました。学校に行きたいという思いばかりが、僕と妹の心に募りました」。
幼い兄の証言に続いて、妹も兄の証言を認める内容のことを話した。捜査員らはこの情報を元に、麻薬常習者の父の捜索を開始、ついに3日前、家に帰宅したところを発見し、逮捕した。
男はテヘラン捜査局に連行された後、取調べを受け、その中で子供たちを殴打し、物乞いで麻薬の資金を集めさせていたことを自白した。
報道によると、残酷非道な父親は法に基づいて刑務所に収監された。今後、更なる取調べが行われる予定。
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( 翻訳者:尾曲李香 )
( 記事ID:16849 )