治安維持軍総司令官「法の遵守を主張する者たちこそ、実際には法を破っている」
2009年07月02日付 Iran 紙


治安維持軍総司令官は、ここ数日間の騒乱・暴動について、「法〔の遵守〕をスローガンに掲げている候補者たち〔=ムーサヴィーやキャッルービー〕が、実際の行動では不法行為と不服従を露わにしている」と指摘した。

 IRNAの報道によると、イラン治安維持軍交通警察長官専門会議に出席したエスマーイール・アフマディー=モガッダム司令官(准将)は、そのかたわらで記者団との会見に応じ、「この種の振る舞いが発生したことで、体制に対する信頼に傷が付いてしまった。治安維持軍は、〔抗議活動を行う者と彼らを厳しく取り締まるべきだと主張する者の〕両方から叩かれた。われわれこそ、今回の事態の最大の被害者である」と述べた。

 同総司令官はさらに、「群衆と対峙させることを警察に強いた者たちこそ、イラン国民の権利に対して大いなる裏切りを働いた者たちである。治安維持軍としては、このような者たちに対して、なぜこのような事件を起こしたのか、聞いてみたいものだ」と続けた。

 アフマディー=モガッダム司令官はまた、一部の候補者がここ数日間の事件に関して発表した声明について触れ、「〔最高指導者の命令に対する〕このような公然たる不服従は、声明の中でわれわれ警察官に対して不服従を呼びかけるまでになっている」と語った。

「このような事件は前から予見していた」

 治安維持軍総司令官は続けて、選挙の15日も前から事件のすべてについて予見していたと明かし、「選挙の15日前、治安維持軍の様々な部門で活躍する司令官たちが出席した会合のなかで、われわれはすでに事件について予見し、実行に移されるであろうシナリオすべてについて検討を行っていた」と語った。

 アフマディー=モガッダム司令官はその上で、「幸運なことに、今回の事件についてつかんでいた情報を知悉していたお陰で、被害も最小限にとどめられた。〔体制の〕転覆を基本として組み立てられたすべての事件を、われわれは挫折に追い込んだ」とした。

 同司令官はまた、海外メディアが最近の暴動の作戦司令室になっていると指摘した上で、「これらのメディアは、イスラーム共和国内に秩序が確立したことで、すでに降伏の白旗を手に掲げている」と自信を見せた。

 同司令官はさらに、各警察署が〔暴動の鎮圧に忙しかったために〕十分なサービスを提供することができなかったことで、騒乱が起きていた数日間、市民に被害が生じてしまったとし、「この間、窃盗は2倍に増えた。警察署は騒乱への対処のために、十分なサービスを提供することができなかった。その結果、不法行為と無秩序という煙が市民の目の中に入ってしまった」と指摘した。

 同司令官はまた、騒乱に関わったとして治安維持軍によってこれまで逮捕された人の数は1032名にのぼるとした上で、「逮捕された人々の多くは、すでに釈放されている。それ以外の人々については立件の上、身柄を送検した」と語った。アフマディー=モガッダム司令官はさらに、「今回の騒擾において、比較的軽微な罪を犯した人々については、釈放されることになるだろう」とも述べた。

 同司令官はさらに、今回の騒擾で治安維持軍の隊員で殉教した者はいないと強調しつつ、「500名の隊員が負傷し、暴徒たち20名が殺害された」と語った。

ネダー・アーガーソルターンさん死亡事件

 同司令官はまた、ネダー・アーガーソルターンさん死亡事件に関し、「この事件は、前もって用意されたシナリオ〔にもとづいて実行された〕ものだった」と語り、さらに「事件の根元には、国外に逃亡し、イスラーム共和国体制に対して毒をまき散らし続けているアーラシュ・ヘジャーズィーという人物の存在がある。この人物は現在、情報省による追跡捜査を受けている」と続けた。
〔※アーラシュ・ヘジャーズィーという人物は、ネダーさんが殺害された現場に居合わせた人物で、事件後BBCのインタビューに応じ、事件の詳細について証言、ネダーさんに発砲したのはバスィージ隊員であったことを明らかにした人物。彼はまた、小説家・翻訳家としても有名〕

〔後略〕

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:16891 )