「女性割礼」非難のEUへ、トルコ大国民議会より抗議の手紙
2009年07月07日付 Milliyet 紙
トルコ大国民議会(TBMM)は、欧州議会で「トルコで女性割礼が存在すること」につき質問趣意書を提出したイギリスのシルク議員に宛て「非難」の手紙を、トルコを「擁護しなかった」ということでEUの拡大担当委員であるレーン氏に宛てても「不満」の手紙を送った。
トルコ大国民議会(TBMM)は、欧州議会で「トルコで女性割礼が存在する」との質問趣意書で議題に挙げたイギリスのロバート・キルロイ・シルク議員に宛て「非難」の手紙を、EUのオッリ・レーン拡大担当委員に宛てても「トルコを擁護しなかった」ために「不満」の手紙を送った。
トルコ大国民議会のギュルダル・アクシト男女機会均等委員長は、先週委員会で下した決定に沿ってシルク氏とレーン氏に辛らつな表現を含む2通の別個の手紙を送った。シルク氏に送られた手紙では、トルコで女性割礼が存在するという事実無根の発言が非難されており、以下のように述べられている。
■擁護されなかった
「あなたが問題視したことで、私はトルコ大国民議会の男女機会均等委員長、また一人の女性議員として非常に驚き、当惑しています。あなたを、こうしたご自身の無知や不完全な知識ゆえに批判します。トルコにおける女性に関するこうした主張は、全く事実無根です。しかし一部の国や部族では存在するといわれている、こうした残忍で原始的な慣習は、トルコの歴史にもイスラームの歴史にもその存在や根拠はありません。さらに世界におけるどの神聖な宗教(イスラーム教、キリスト教、ユダヤ教)もこのような慣習を認めていないことは知られています。これらの宗教で女性割礼が認められているとのいかなる記載も存在しません。」
アクシト委員長は、シルク氏に対し、民主的、世俗的、かつ社会的な法治国家であるトルコを不当かつ真実とは異なる非難をおこなったとし、「あなたをいま一度非難します、トルコ共和国に関する知識の無さを克服するかたちで謝罪されることを望んでいます」と述べた。
アクシト委員長は、レーン氏に対してもシルク氏のトルコで女性割礼の質問に対して必要な答えをしなかったために非難した。アクシト委員長は、レーン氏に送った手紙では次のように述べた。
「この質問趣意書を、『トルコのEU加盟への過程では、欧州人権裁判所の判決や欧州人権条約によって保障されている権利や自由を尊重することに向けて、必要な全ての対策をとる必要がある』という形で返答することで、あなたが先の非難に答えず、またトルコ共和国を擁護しなかったことは、私を驚かせ、当惑したしました。
私はトルコ大国民議会男女機会均等委員長、また一人の女性議員として、あなたが他の欧州連合の関係者と比べて親トルコだと思い、法的、宗教的観点でこのような慣習が無かったという点をより明確に述べることを期待していました。トルコの歴史でもイスラーム教でもこのような慣習はありません。しかし一部の国で、特に中央アフリカの国々における部族で見られるといわれているこの原始的で残忍な慣習によって、トルコ共和国が非難されることは非常に不当なものです。あなたがこの問題に必要な感情的機微を示し、また適切な返答をされると信じています。」
■強調はとても効果的だ
委員会のメンバーらは、アクシト委員長のこの2通の手紙を「強調はとても効果的だ。非常に肯定的に捉える」と評価した。本紙に対して語ったアクシト委員長は、「手紙を送りました。これから先にトルコのことをよく知らずに非難することはないでしょうし、知識の無さも克服すると思います」と述べた。
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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:16892 )