コラム:イスラエルのユダヤ化政策
2009年07月18日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ 「48年アラブ」放逐計画
■ クドゥスの見方

2009年07月18日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面

ネタニヤフ率いる現イスラエル右翼政府は、パレスチナ人がユダヤ国家としてのイスラエルを認めるまではいかなる交渉にも入らないと主張する。アラブ諸国そしてパレスチナは、このことを軽視すべきではない。1948年占領地のパレスチナ・アラブを西岸へ、いやヨルダンにまで追い払ってしまおうというイスラエルの意図は、この人種主義的性質を有する政府の元で半ば公然の戦略となった。

アラブを放逐し、ユダヤ国家のアイデンティティを保持すべきという話は以前からイスラエルで囁かれていたが、このような計画を阻止しようというアラブ側の真剣な動きがないままに、今や声高に言われるようになった。ラーマッラーのPA政権は和平プロセスとその交渉に忙しく、ハマースは、イスラエルによる第二のガザ攻撃を避けるべく停戦とその延長に専念している。

占領パレスチナからの報告によれば、「48年アラブ」放逐計画は実際的方向に動き出している。それは、計画段階から実施直前段階に移行した。つまり、人種主義的現イスラエル政府は、この計画を実行に移すに適した時機をねらっている。

村や町のアラブ名をヘブライ語の名称に変えようとする、パレスチナ国家は「イスラエル領」の中につくられるべきで、それは非武装でなければならず領土も領空ももたない、エルサレムは分割されずに保持されるべき等の主張、入植の継続、現在のイスラエルによるこのような攻勢の全てが、アラブを遠ざけるという計画に適っている。それは、西岸であれグリーンラインと称するものの中であれ、同じことだ。

こうして見れば、自国がパレスチナ人のための代替国家とされるのではとのヨルダンの懸念も分かる。またそれは、全アラブ諸国政府の関心事項となるはずであり、この脅威に対してはアラブ側の力を一つに合わせるべきだ。

ヤーシル・リダー・エジプト大使が「48年地区」のパレスチナ人のためのフォローアップ委員会の長ムハンマド・ザイダーンと会見した際、エジプト政府が有する確かな筋の情報として、来年イスラエルが、ユダヤ化政策の一環として、48年地区のアラブを西岸、もしくはヨルダンに強制移住させる模様であると明かした。

これは、このためにアラブサミット開催が呼び掛けられてしかるべき、危険度の高い情報であり、民族浄化の域に達するこの種の犯罪行為を暴くため、国際的努力が必要とされる。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:16975 )