ツポレフの悲劇:カスピアン航空機墜落事故で乗客・乗員168名が死亡
2009年07月16日付 E'temad-e Melli 紙
【社会部:ザフラー・ジャアファルザーデ】昨日朝、悲惨な航空機事故がガズヴィーン上空で発生し、168人のムスリム及びアルメニア人同胞が亡くなった。自らの責任に関して一種の怠慢があったといわざるを得ない国の航空関係者ならびに政府関係者に対して、フライトの安全について一層の関心を払うよう警告する事故が発生したのは、過去8年間で実に16回目となった。
昨日午前11時33分、テヘランとエレバンを結ぶカスピアン航空のツポレフ旅客機7908便がガズヴィーン=ターケスターン街道沿いのメフディーアーバード村郊外に墜落したのは、イマーム・ホメイニー空港を離陸したわずか16分後のことだった。事故の原因はまだ分かっていない。
ガズヴィーンから20kmの地点に墜落
事故現場を訪れた人々の話によると、事故を起こした航空機は住民が住んでいない耕作地に墜落し、深さ20mの陥没ができたという。
目撃者の証言によると、この航空機は初め上空で出火し、ガズヴィーン州エグバーリーエ上空で数回旋回した後、最終的に耕作地に墜落、激しい爆発を起こしたという。
この事故はきわめて激しいもので、乗客153名、乗員15名を含む168名全員が亡くなった。そればかりか、犠牲者の遺体は見るも無惨なほど焼け焦げ、バラバラになった。現地を訪れた救援隊によると、遺体はどれも焼け焦げ、原形をとどめていないため、消防士による身元の判別は不可能だとのことである。
また墜落と爆発が同時に起こったため、機体の破片は周囲半径200mに飛び散った。事故から数時間後がたってなお、事故が発生した現場には乗客のかばんや靴、名刺、財布、その他の手荷物が散乱していた。現在も消防救援隊は、現地で乗客らの遺品を収集中である。
ガズヴィーン州の発表では、現在、国軍の部隊が墜落の主要かつ正確な原因を調査するために機体のブラックボックスを探しているところだという。
これまでのところ、国の責任者は誰一人としてこの事件の発生原因について発言していない。我が国の航空会社も、原因は離陸前の機体の整備不良にあったとの見方を否定し、パイロットは管制塔と技術的トラブルの存在について一切会話していなかったと発表している。
ガズヴィーンでの旅客機墜落事故は、世界で最も危険な旅客機として知られているツポレフTU-154Mで発生した。メフル通信の報道によると、ツポレフ航空社は負債を理由に2002年に破産を宣告し、ロシアの航空機製造会社5社に吸収された。
この機体は1968年10月4日に初飛行を行った。この航空機は技術的観点から世界では飛行禁止となっており、EU及びアメリカへの国際飛行は許可されていない。これまでにさまざまなモデルのツポレフ機が約900機、世界で製造され、イランでは国内の大部分の航空会社がこのTU-154Mモデルを使っている。今日ガズヴィーン州に墜落した航空機は、ここ数年間イラン国内で墜落したツポレフ機としては4機目となる。
イラン柔道ユース・ナショナルチームの選手らが死亡
イマーム・ホメイニー空港からアルメニアのエレバンに向けて出発したこの航空機に搭乗していた乗客168名の中には、イラン柔道ユース・ナショナルチームの選手も含まれていた。この報道によると、ハンガリー国際大会出場に向けた準備合宿のためにアルメニアに向かっていたイラン柔道ユース・ナショナルチームの選手たちも、この事故で命を落とした模様だ。
〔後略〕
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( 翻訳者:尾曲李香 )
( 記事ID:17006 )