EU法廷、アブー・カターダ師の資産凍結決定を解除
2009年06月12日付 al-Quds al-Arabi 紙

■EU法廷、アブー・カターダ師の資産凍結決定を解除
■イギリス当局はアブー・カターダ師を“懲罰房”に収容

2009年06月12日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ロンドン:本紙】

イギリス当局が“アブー・カターダ師”として知られているヨルダン人イスラーム主義者 のウマル・マフムード・ウスマーン(アブー・ウマル)囚人を刑務所内の懲罰房へと移送したという情報を本紙は入手した。

ヤースィル・スィッリー氏が代表を務めるイスラーム・オブザベーション・センターによれば、刑務所の看守が一昨日の夜にアブー・カターダ師の独房に押し入り、そこから出るように命令した。彼が抵抗すると、「お前たちは私と戦争状態にある。後悔することになるだろう」と言って、彼を何の設備もない 小さな懲罰房に連行した。

刑務所はアブー・カターダ師の房を毎月変更させており、それはイギリス当局の言い方によれば、彼が「きわめて危険な人物」なためだという。

スィッリー氏は、このようなイギリスの刑務所におけるムスリム囚人に対する劣悪な扱い」は容認できない と語り、“ムスリム囚人に対する人種差別”だとの認識を示した 。

また特筆すべきことに、“マグリブ・イスラーム諸国のアル・カーイダ”が、かねてからの脅迫を実行に移し 、先週、砂漠地域で拉致したイギリス人の人質を殺害したと発表した。イギリス当局はいくつかの理由から、殺された人質はエドウィン・ダイヤーさんに間違いない と述べ、ゴードン・ブラウン首相は、イギリス国民が殺害されたことを非難して、“残忍なテロだ”と表現した。

またアルジェリアの公式情報筋も、「我々の情報によれば、マグリブ・イスラーム諸国のアル・カーイダが、マリでイギリス人を殺害した」と述べた。

マグリブ・イスラーム諸国のアル・カーイダは、イギリス政府が刑務所に拘留しているアブー・カターダ師を解放しなければ、イギリス人捕虜のダイヤーさんを殺害すると脅迫していた。

他方、ルクセンブルクのEU法廷は、昨日木曜に、テロ行為に関与した容疑のイスラーム主義者、ウマル・ムハンマド・ウスマーン氏、通称アブー・カターダの資産凍結命令を解除すると決定した。こうしてEU法廷は、テロに関与した容疑のあるウスマーン氏の資産を凍結するとしたEUの決定を棄却し、その判決理由 で、EUの決定はウスマーン氏の基本的人権を侵害するものとみなされると述べた。

(後略)

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( 翻訳者:瀧崎康仁 )
( 記事ID:17098 )