トルコ大国民議会の議長選挙のため、現在のキョクサル・トプタン議長の続投を望んでいた共和人民党(CHP)と民族主義者行動党(MHP)は、期待が裏切られると予想外の候補名を示した。
最大野党(共和人民党)はオヌル・オイメン副党首を候補とするはずであったが、中道右派政党から共和人民党に移籍した元祖国党(ANAP)のイルハン・ケスィジ国会議員を候補者として選んだ。トプタン氏の名を挙げながら、与党に圧力をかけようとしたCHPは、公正発展(AK)党がメフメト・アリ・シャーヒン氏の名前を挙げたのに対し、ケスィジ氏の名前を出すことで、ある意味「合意」のメッセージを与えたとされた。MHPは副党首のトゥンジャ・トスカイ氏を候補とすると予想されていた。しかし意外にも、サカリヤ選出国会議員のミュニル・クトゥルアタ氏の名前を挙げた。学者出身のクトゥルアタ教授は政界に入る前は運輸省次官だった。民主市民党(DTP)の候補もシュルナク選出国会議員のハスィプ・カプラン氏となった。それまでトゥンジェリ選出の無所属国会議員のカメル・ゲンチ氏だけが立候補していた。このように候補者数は5人にのぼった。
諸野党は(公正発展党で)シャーヒン氏が候補となったのに対し反発を示した。CHPの会計責任者で広報担当者であるムスタファ・オズユレキ氏は「エルドアン首相の影武者として任務を行うつもりである」と主張した。CHPのオヌル・オイメン副党首も、「シャーヒン氏が候補とされたことは、AKPは合意に道を閉ざしたことを示している」とコメントした。MHPのオクタイ・ヴラル代表代理は、「行政府(政府)の命令で形作られる議会というものを望んでいることを示すものだ。明白なことだ」と話した。
他方、エルドアン首相は国会議員達と行った会合で、「信用してください、あなた方のなかから最も多くの票を得た人を議長候補として挙げています。あなた方の書面による評価を一つ一つ精査しました。あなた方が選んだ候補者を私も候補者としたのです。この件で誰からも非難されたくはありません」と述べたという。
トプタン議長、退任儀式を始める
一方キョクサル・トプタン議長は今日、アブドゥッラー・ギュル大統領とレジェプ・タイイプ・エルドアン首相にお別れの訪問をする予定だ。10時半に大統領府に向かい、11時半には官邸に行ってエルドアン首相と会見する。
初代国会議長はアタテュルク
トルコ大国民議会の初代議長はアタテュルクだった。アタテュルクは1920年4月24日、議員の110票によりい一回目の投票で議長に選ばれ、1923年9月23日まで議長を務めた。後任はアリ・フェトヒ・オクヤルだった。議会史上、多くの投票回数を経てようやく議長に選ばれた人々もいる。1977~1980年の議長はジャヒト・カラカシュ氏が38回目の投票で議長に就任した。1970~73年のサビット・オスマン・アヴジュ氏は36回目だった。
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( 翻訳者:下中菜都子 )
( 記事ID:17110 )