トルコ・ロシアのエネルギー合意の反響―ギリシャ不満
2009年08月08日付 Milliyet 紙
トルコとロシアは、エネルギー問題においてトルコを鍵となる国家に位置づけることになる計画に合意した。これに対し、ロシアと別の計画を準備するギリシャは不満を表明。世界のメディアはこの合意を広く取り上げた。
トルコ・ロシア間で一昨日(6日)エネルギー分野について署名された歴史的な合意と諸協定は、「トルコはナブッコ・パイプライン計画を二の次としたのか?」という疑問を呼び起こした。これに対し、アンカラのトルコ政府はそういった憶測を排除するために「トルコの優先事項はナブッコである。トルコのサウス・ストリーム・パイプライン計画への参加もしくは協力は、(ナブッコ計画に対し)問題とはならないない」というメッセージを発した。トルコは、何年もの間、サムスン‐ジェイハン石油パイプライン計画への参加に非協力的であったロシアの翻意を獲得した。
タネル・ユルドゥズ・エネルギー天然資源大臣は、サウス・ストリーム計画に関し当該地域で地震調査を行い、その後決定することを明らかにした。CHP(共和人民党)ガズィアンテプ選出ヤシャル・アーユズ議員は、トルコがロシアと署名した協定と協力合意に関し国家で質問した。
トルコはまた、ロシア側とのエネルギー問題も含む20条に及ぶ包括的な合意にも署名した。これらの展開について、トルコのみならずロシアやヨーロッパでも大きな反響が起こった。これらの展開に最も不満を感じた国はロシアとのエネルギー合意に署名しているギリシャであった。
■ギリシャに衝撃!
アンカラ・モスクワ間でサウス・ストリーム計画が合意に至ったことはギリシャで衝撃を引き起こした。ギリシャの高級紙の1つ、カティメリーニ紙の報道によると、サウス・ストリーム合意によって地域におけるエネルギー地図が「新たな性質を獲得すること」をギリシャ政府は「驚きと不安でもって」受け止めた。同紙によると、ギリシャ政府はこの5年間に2国間で行われたエネルギー輸送計画に関連する多くの話し合いを踏まえ、自国をロシアの「優先的パートナー」であると考えていたため、一昨日の展開に困惑している。
■EUの反応は肯定的
ロシアとの親密さを頼りにアメリカ政府との関係において衝突さえ経験したギリシャは、今回の合意でロシア政府の「重要なパートナー」となり、地域における全ての大規模エネルギー計画に参加しているトルコに、天然ガス供給問題で依存する状態なることについても不満を感じている。
一昨日アンカラ・モスクワ間でサウス・ストリーム問題について結ばれた合意に対するEUの公式の反応は肯定的なものである。EU委員会広報官の1人マーティン・セルマイル氏は、「サウス・ストリーム計画は、進行中のナブッコ計画を補完するものであると評価している」と述べた。EUは、ロシアのウラジミール・プーチン首相がサウス・ストリームをナブッコのライバルと考えているとしても、この見解を「公式には」否定している。しかし、舞台裏ではサウス・ストリーム計画の始動はナブッコ計画に一部で否定的な影響を及ぼす恐れがあるという見解が支配的である。一方でEUとロシアの間での「エネルギー・ゲーム」の最も重要な勝者の一人にトルコが挙げられている。
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( 翻訳者:永山明子 )
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