議論白熱のファタハ総会、アラファートの死の真相を調査し国際司法に訴えると決議
2009年08月07日付 al-Quds al-Arabi 紙

■今日から中央委員会メンバーの選挙戦
■サフル・ハバシュが辞任演説
■ファタハ総会、アラファート議長の死の責任はイスラエルにあると決議
■レバノン情勢に関し議論が白熱

2009年08月07日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ベツレヘム、アンマン:ワリード・アワド、バッサーム・アル=バダーリーン】

 ヨルダン川西岸地区のベツレヘムで20年ぶりに開かれているファタハ総会は木曜日、パレスチナの故ヤーセル・アラファート議長の死の責任はイスラエルにあるとして、「故ヤーセル・アラファート暗殺については占領軍たるイスラエルが全面的に責任を負う」との決議を代表者たちが満場一致で採決した。

さらに、アラファートの死の真相について委員会に調査を命じ、調査内容を国際刑事裁判所に提出すると決定した。イスラエルのユリ・エデルシュタイン情報相は声明でこの疑惑を断固否定した。

ファタハ幹部であり故ヤーセル・アラファート議長の親戚でもあるナーセル・アル=クドゥワは昨日木曜に、故アラファート議長の毒殺事件を捜査するため、ファタハ中央委員会直属の調査委員会の結成を求める提案を、第6回ファタハ総会で通過させることに成功した。文面に修正が加えられた後、この決定は総会勧告のひとつとして承認された。修正されたのは、調査委員会が国際刑事裁判所へ公式に訴えを起こし、同案件の調査を要請するという部分。

同じく木曜日には、レバノンのファタハメンバーが総会に混乱をもたらした。それは、パレスチナ解放機構(PLO)代表で中央委員会メンバーのアッバース・ザキーが演説で、在レバノンPLO副代表のカマール・ミドハト暗殺についての調査委員会結成を求めたためだ。カマール・ミドハト副代表は3月に暗殺されている。

本紙が得た情報によれば、レバノンにおけるパレスチナ問題の状況とレバノン軍が破壊したナフル・アル=バーリドキャンプの問題に言及したザキー氏は、パレスチナの、しかもファタハの手がミドハト副代表暗殺に関与していることをほのめかす発言を行った。総会の参加者たちが理解したところでは、疑惑の矛先はスルターン・アブー・アル=アニーンに向けられていた。ザキーおよびその支持者たちと、レバノン領内の指導権争いをしている人物である。

 ザキーとアブー・アル=アニーンの間で分裂しているレバノンが引き起こした混乱状態は、委員会の作業が終了し、総会へと移行した後も続いた。総会では中央委員会のメンバーであるサフル・ハバシュが壇上から、中央委員会メンバーに立候補せず、ファタハを後進に託すと表明した。

また、メンバーシップ委員会でも木曜の夜遅くまで抗争が続いた。国内外の大勢のファタハ幹部が、総会への参加を許されるメンバーの数を増加しようと、あからさまな争いを繰り広げたのだ。木曜の午後には最終的な参加者数が2260人に落ち着いたが、〔中央委員会メンバーの〕選挙戦の行方次第ではさらに70人が追加される可能性が残っている。

 総会本部は昨日木曜の午後6時から本日金曜の朝10時まで、中央委員会とファタハ革命評議会メンバーへの立候補受け付けを始めた。ファタハ関係者によると、中央委員会への立候補の意思を示した幹部は100人を超え、そのうち18人が選ばれることになる一方、ファタハ革命評議会への立候補者は約500名で、その中から120人に絞られる予定。ファタハ公式報道官のアフマド・アブドゥルラフマーンは、総会にガザ地区の意思が反映されるようななんらかのスキームを作る方向で作業が進められていると述べた。

(後略)

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( 翻訳者:川上誠一 )
( 記事ID:17164 )