ファタハ総会でアッバース大統領、ハマースとカッドゥーミー氏を非難
2009年08月05日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ ファタハ第6回総会開会式でアッバース大統領、アラファート前大統領の犠牲を利益追求に利用しないよう要求...諸派はアッバースを非難
■ アッバース大統領、「武力闘争」に代わり「人民抵抗」を提唱、ファタハへの支持低下を認め、ハマースの「蒙昧主義者」を非難

2009年08月05日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ベツレヘム:ワリード・アワド(本紙)】

 ヨルダン川西岸地区のベツレヘムで行われている第6回ファタハ総会の開会式中、パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、「合法的な抵抗運動」を固守すると述べつつ、間接的に「武力闘争」への言及を除外した。ファタハは60年代前半、組織の理念を「武力闘争」の上に打ち立てていた。

 またアッバース大統領は火曜日、第6回総会に参加するためファタハのメンバーがヨルダン川西岸地区に向かうのをハマースが妨害したことを強く非難し、ハマースを「クーデター勢力」、「蒙昧主義者」と形容した。その一方で、「パレスチナ自治政府はロードマップ案に関する全ての事項を遵守しているが、イスラエルはロードマップ実施に向けて最初の一歩も着手していない」と強調した。

 パレスチナのマフムード・アッバース大統領は昨日、ヨルダン川西岸地区のベツレヘムで、第6回ファタハ総会の開会を宣言し、長時間にわたる演説の中でファタハの歴史について語り、ガザ地区のファタハ代表が総会に参加するのを妨害したとしてハマースを非難した上で、ファタハの多くの幹部が「ハマースの監獄で苦しんでいる」と述べ、ファタハは「自らの意思決定をクーデター勢力に預けることを拒否する」と述べた。

 ハマースを非難する中でアッバース大統領は、「ファタハは蒙昧主義者たちが破壊活動を続けることを許さない。彼らの破壊活動は根本的に、パレスチナ国民のプロジェクトに打撃を与えることを目的としている」と述べた。

 アッバース大統領は、ファタハの影響力が近年後退していることを認め、「我々は、様々なレベルで大きく後退してきた。その中心的役割を担ってきたのが、イスラエルである。その結果、あらゆる側面、あらゆる観点から見て醜悪な封鎖措置の中で、我々はヤーセル・アラファートの生命をあまりにも大きな代償として失ったのである。

 ガザ地区からの出発をハマースに妨害されたファタハ幹部らは、テレビの画面を通じて第6回総会を見守った。一方ハマースは、総会が選出するファタハのいかなる新しい指導部とも交渉する準備ができていると強調すると同時に、ベツレヘムでの総会はファタハの内部問題であるとの見解を示した。

 アッバース大統領は、総会に参加しなかったファタハ中央委員会のファールーク・アル=カッドゥーミー事務局長を批判した。カッドゥーミー氏は最近、故ヤーセル・アラファート前大統領の暗殺計画に関与したとして、アッバース氏を非難していた。

 アッバース氏は、パレスチナ自治政府は、アラファート氏の死因について引き続き調査を行い、この件に関してアラブ諸国や諸外国とあらゆる連絡をとると強調した。

 また、アッバース大統領がイスラエルと共謀してアラファート前大統領を暗殺したとカッドゥーミー事務局長が非難していることについてアッバース氏は、「アラファート氏の犠牲を利益追求のための商売に利用する試みを拒絶」すると述べ、非難は「恥ずべきことであり、やめなければならない」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:17165 )