■ アメリカ政府、オバマ大統領のダマスカス訪問を否定
2009年08月07日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【ワシントン:ヒシャーム・ムルヒム】
アメリカ政府高官筋は、イマード・ムスタファー駐米シリア大使のメディアでの発言を強く否定した。ムスタファー大使はバラク・オバマ米大統領が秋にダマスカスを訪問するかも知れないという印象を与える発言をしたが、同筋は「完全に想像上の話だ」、「まったく根拠がない」と評し、「シリア大使が誇張した発言をし、シリアに対する制裁の一部をアメリカが近いうちに撤廃する方向だと各紙に洩らしたことが一つの原因となって、制裁に関する議論の中で、制裁の更新の必要性を唱える意見が有力になった」と述べた。
オバマ政権の高官は本紙に対し、「ムスタファー大使は、バッシャール・アル=アサド大統領がアメリカのスカイ・ニュースTVのインタビューに対して、オバマ大統領をダマスカス訪問に『招待』し、そのような訪問のチャンスがあるという印象を与えようとしたことに基づいて、これらの情報をでっち上げている」と述べ、「このような訪問に関する議論は全くない。これは完全に想像上の話だ」と述べた。
別の政府高官は本紙に対し、「ムスタファー大使の主張には根拠がない。ムスタファー大使も自分の言葉に根拠がないことを理解している。...イマード・ムスタファー大使が、実際には根拠がないと分かっていることを発言する傾向があることに見られるように、アメリカ・シリア二国間関係の改善には大きな障碍がある。一方、もしムスタファー大使にあのような発言を委任されているのだとしたら、問題はそれ以上に深刻である」と述べた。
シリア大使は複数のアラビア語紙に対する談話の中で、「最近の二国間関係が改善されている点から見て、オバマ米大統領とアサド大統領の会談が実現する可能性は非常に高い」と発言した。
アメリカの消息筋は「ムスタファー大使はアメリカのジョージ・ミッチェル中東特使がダマスカスを訪問した後、アメリカ政府が経済制裁の一部を一時停止するだろうと述べたが、アメリカの政府高官はこの発言に不快感を示し、ファイサル・ミクダード副外相に書簡を送った」と述べた。
同消息筋は、「ムスタファー大使の声明は、ジョージ・ブッシュ前大統領が2007年に決定した、アサド家の親族を含むシリア要人に対する制裁措置の1年延長に貢献することになった」と述べた。
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( 翻訳者:青山沙枝 )
( 記事ID:17183 )