ファタハ第6回総会でアッバース大統領を議長に再選
2009年08月09日付 al-Hayat 紙

■ ファタハ、アッバース大統領を議長に選出、並ぶ者なき指導者としての地位を固める

2009年08月09日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)

【ベツレヘム:本紙ムハンマド・ユーニス】

 ファタハの第6回総会は昨日、マフムード・アッバース大統領をファタハの議長に無投票で選出した。アッバース氏の名前がファタハの指導者として示されると、総会に参加するメンバーの圧倒的多数が起立し、拍手を送った。

 総会は、中央委員会の議席を4席空席のままにしておき、選挙後に組織の諸機関がこれを埋める作業にあたるというアッバース議長の提案に合意した。これは、ガザ地区代表の選出問題への解決策としての措置である。またアッバース議長の提案には、同委員会の定員を21人から23人に増員するとの内容も含まれており、総会メンバーのうち65人がこれに反対したが、大多数(数は未発表)が挙手によってこれを支持した。会合の様子はパレスチナTVが生中継で伝えた。

 アッバース氏は議長選出直後のスピーチで、「ファタハは新たな出発に臨んでいる」と述べ、「ファタハは多くの始まりや多くの挫折を経験し、何回も奈落の淵に立たされてきた。しかし、ファタハはその度に新たに復活し、より強くなってきたのだ」と付け加えた。また、「ファタハは国民的プロジェクトと、明確なヴィジョンと客観的な立場をもつ組織である」と述べ、「私たちは世界に向けて宣言する。私たちはこの国民的プロジェクトというヴィジョンをもってスタートしたのであり、独立国家を実現するまでこれを貫徹するだろう」と続ける。

■ アッバース議長、3人を賞讃

 アッバース議長は、高齢や病気を理由に次期選挙に立候補しないことを決めた3人の中央委員会メンバー、ハーニー・アル=ハサン、サフル・ハバシュ、ザカリヤ・アル=アーガーを賞讃した。また特にファタハ創設世代の委員会メンバーである2人、ムハンマド・グナイム(通称アブー・マーヒル)とサリーム・アル=ザアヌーン(アブー・アル=アディーブ)を賞讃した。ファタハ幹部筋は、アッバース議長はこの賞讃を通して、2人の再選を総会メンバーに働きかけるメッセージを送りたかったのだと述べている。

■ カッドゥーミー氏を非難

 また、アッバース議長は、ヤーセル・アラファート元大統領の暗殺工作にアッバース氏が関与していたとの嫌疑を最近表明したファールーク・アル=カッドゥーミー氏に対する非難と愛情の混じったメッセージを発した。アッバース氏は「彼(カッドゥーミー氏)は間違いを犯した。彼は間違いを取り下げるべきだ」と述べ、「いずれにしても、君は我々の兄弟であり続ける」と語りかけた。

 総会はアッバース氏を競合する者のないファタハの指導者として確定した。総会では対立候補は現れず、これによって将来に考えられるライバルたちとの対立におけるアッバース氏の力は確かなものになった。アッバース議長はパレスチナ自治政府の大統領であり、さらに2004年にアラファート前議長が死去した直後に議長に就任して以来、ファタハ内部に競合する有力な指導者が現れなかったために、大きな影響力を誇っている。

■ ハマースに警告

 アッバース議長は、ガザ地区在住のファタハ総会メンバーについて特に賞讃した。彼らはハマースが旅行を許可しないために、総会に参加できなかった。アッバース氏はハマースに対して、この行為のもたらす結末について警告し、「我々は忘れない。忘れない。忘れない」と述べた。またハマースの行為をイスラエル当局の逮捕にたとえ、「(ガザのメンバーが総会参加を妨げられているのは)イスラエルの牢獄にパレスチナ人1万1000人が投獄されている状況に似ている」と述べた。

 一方、総会執行部は、開催期間を3日間から火曜日までの8日間に延長することを決定した。総会主催者の消息筋は、「参加メンバーの規模(2300人)、議論と検討が必要な議題の多さ、そして総会運営の経験不足(前回は20年前に開催された)といった要因から、総会の開催期間を3日間から8日間に延長することになった」と述べた。

 金曜日から土曜日にかけての夜間の会合では、ガザ地区がハマースに制圧されたことの責任について大荒れの議論がなされた。ムハンマド・ダフラーン氏は会合で演説を行い、責任はファタハ指導部(中央委員会)にあり、ハマースとの危機の時期にガザ地区におけるプレゼンスを拒んだからだと主張した。しかし、会合参加者の多くはダフラーン氏に責任があると主張し、発言者たちは投票によって責任者を処罰することを求めた。

 ファタハ中央委員会と革命評議会の選挙の投票は今日午後2時に開始され、選挙の結果は月曜日(10日)か火曜日(11日)に発表される予定である。中央委員会への立候補者は104人、革命評議会への立候補者は750人である。アッバース議長は総会メンバーに立候補者人数を減らすよう働きかけており、「革命評議会に約700人の候補者というのは多すぎだ」と述べている。

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:17184 )