イスラエル首相、「ガザ地区撤退の過ちを繰り返さない」と発言
2009年08月10日付 al-Hayat 紙

■ ネタニヤフ首相がガザ撤退の過ちを繰り返さないと発言、バラク国防相や政府首脳はファタハ総会を非難

2009年8月10日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面

【ナザレ:アスアド・タルハミー】

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は昨日、自らの政府は、2005年夏にアリエル・シャロン氏率いる政府がガザ地区からの撤退と同地区の入植地からの立ち退きを実施したときのような、パレスチナ占領地からの「一方的撤退と入植者の立ち退きという過ちを繰り返すことはない」と公言した。また、パレスチナ人とのいかなる合意にあたっても「ユダヤ国家」としてのイスラエルの認知や実行可能な治安対策の策定を条件とすることを改めて述べた。同時に、ベツレヘムで開催中のファタハの第6回総会での決定事項について、イスラエル政府幹部らはファタハを非難した。

 ネタニヤフ首相の発言は昨日、週例閣議の前の談話の中で行われ、観測筋は中東和平合意の実現を目指す米政権へのメッセージであるとみている。ネタニヤフ首相は、ガザ地区の入植地から立ち退いたことにより「和平や治安が実現することはなかった。むしろ逆に、ガザはイランの支配下に置かれたハマースの拠点になった」と述べ、「政府はこの過ちを繰り返さず、新たに立ち退かされる者は出ない」と発言し、当時のガザ入植者に起きたことについて「悲劇だ」との見解を示した。

 ネタニヤフ首相は、イスラエルがパレスチナ人との間で望む政治的解決の概要にも言及し、「我々は2つの構成要素から成る2者間合意を望んでいる。1つはイスラエルをユダヤ人の国民国家と認知すること、もう1つは実行可能な治安対策である」と述べ、この2点は以前の交渉では取り上げられなかったが、「もし、より穏健なパレスチナ人をパートナーとして和平の方向へ転ずることがあるとすれば、いかなる合意においてもイスラエルの認知と(パレスチナ国家の)真の武装解除は合意の一部となるであろう」と付け加えた。

■ バラク国防相

 一方、エフード・バラク国防相は閣議の前に、「ファタハ総会で聞かれた雄弁な演説とその場で示された姿勢は危険であり、我々は受け入れることはできない」が、「我々は中東における解決は包括的な解決以外にあり得ないことを理解しなければならない。私はアブー・マーズィン(パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領)に対し、そうした解決に関して我々と真剣な交渉に入るよう忠告する。また、バラク・オバマ大統領が率いるアメリカ政府には、パレスチナやシリアやその他の国家を含めた中東における、包括的解決への方針を主導していくよう提案する」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:17195 )