エルドアン首相、ビュユクアダ島で各宗教代表者と会食
2009年08月16日付 Radikal 紙

ビュユクアダ島で、各宗教代表者たちと会食を行ったエルドアン首相は、(クルド問題についての)「民主的解決策」のための闘いを行っていることを強調した。エルドアン首相は、「ペルシア語には次のような言葉があります。『座り、語り、(そして何の成果もあげずに)別れた』と。しかし我々は成功させ、結果を出す必要があります」と述べた。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、アダラル財団と各宗教代表者たちの招待を受けて、4人の閣僚や補佐官、さらに多くの随行者を伴ってビュユクアダ島へ赴いた。宗教コミュニティーの代表者たちや実業家たち、そして島民たちと会談したエルドアン首相は、「クルド問題解決策」や「民主化」への歩みに触れ、以下のように話した。「私は信じています。この「民主的解決策」はわれわれの国において多くのことを変化させるでしょう。しかし、手を取り合って、肩を並べて(一致協力して)行えば・・です。これらを成功させなくてはなりません。」

エルドアン首相は、ビュユクアダ島で昨日(15日)に催された会食にビュレント・アルンチ副首相や、国務大臣のファルク・チェリキとエゲメン・バウシュ、エルトゥール・ギュナイ文化観光相とニメト・チュブクチュ国民教育省相とらとともに参加した。さらに多くの公正発展党(AKP)のイスタンブル県出議員たちも同行した。

会食には、バルトロメオス・ギリシャ正教会総主教や、イスハク・ハレヴァ・ユダヤ教トルコ・ラビ長、アルメニア正教コミュニティーを代表するアラム・アテシヤン大司教、シリア正教コミュニティーの指導者ユスフ・チェティン氏らのほか、イサク・アラトン氏や(Vakko社オーナーの)ジェム・ハッコ氏といった実業家、島で暮らす新聞記者たちも含めて約150人が参加した。

エルドアン首相は、会食においてクルド問題に対して間接的に触れつつ以下のように述べた。

「現在われわれは「民主的解決策」のためのの闘いを行っています。もし誰がどう反対するかを考えていたら、この歩みを進めることは不可能です。しかしわれわれはこの決定を下し、これを国民を挙げて、すべての市民団体組織や政党とともに、我が国でこの問題について意見をもっている人がいれば、専門家も記者も、すべての人と一緒になって解決したいと願っているのです。 (この)問題を乗り越えまようと。この問題を乗り越えなければならないのです。われわれは一致団結しなくてはなりません。」

また、民族や宗教に基づく民族主義に対して反対の立場であることを明らかにした首相は、以下のようにも話した。

「(政策の)実施において欠陥はないだろうか?(もちろん)あります。そして、これらもまた、ともに行われる闘いによって解決しましょう。「民主的解決策」が多くのものを変化させるでしょう。しかし(それは)手を取り合い、肩を並べて行えば・・です。ペルシア語には次のような言葉があります。『座り、語り、(そして何の成果もあげずに)別れた』と。われわれは、座り、語り、解散するようなことになってはいけません。ここから一つの結果を出さなくてはなりません。これらを成功させ、結果を得なくてはなりません」

■アルメニア人のサッカー友達

エルドアン首相は話の中で、国籍をもつことでトルコに結びついている全ての人が、その様ざまな違いにより、自分の心や世界観のなかで、つねに特別な位置を占めていると述べた。

「サッカーをしていた頃、アルメニア系市民のサッカー友達がいました。これをなにか自慢をするために述べているわけではありません。この国にすむ人々の問題に、皆さんたちの問題に対し、今までずっと配慮を示してきたこと、そして、この後も示し続けることを公言したいのです。クルド問題、アレヴィー問題、また宗教マイノリティー市民の問題は、どれも、どちらが大事とか、どちらが軽い、というかいうことはないのです。」

首相はまた、トルコの問題を考え、検討し始めた日からずっと、これらの問題がつねに議論の対象となってきたと述べ、以下のように述べた。

「7年間の任期の間に、今日参加しておられる多くの人と、一対一でも、また話しあいの席で向き合う形でも、お会いしてきました。問題を突き合わせ、解決する道を辿って来ました。そして多くの点で、成功しました。」

エルドアン首相は1時間半の会食の後、(島の名物の)馬車の代わりに防弾仕様の車で島をめぐった。そして、アヤヨルギ・ギリシャ正教孤児院とハミディイェ・モスクを見学した。ビュユクアダ島から離れる前にも質問に答えたエルドアン首相は、以下のように述べた。

「いろいろなことを検討しています。もし他の政党もこの仕事を支援してくれれば、より短期間でこの問題を解決することができます。これらすべての作業が終わったら、公開する報告のことを発表します。この間、CDや本などを準備します。講演会やシンポジウム、パネル討論など・・。これ(=民主的解決)を、トルコ中で、おおっぴらに議論し、共通の理解に達する必要があります。」

■チャルッシュラル記者(ラディカル紙)「レフテルさんと親しく挨拶」

会食に参加したラディカル紙のコラムニストであるオラル・チャルッシュラルさんは、エルドアン首相の演説の内容に満足したとし、以下のように述べた。「エルドアン首相は、マイノリティーに関する問題を重要視していることを、4人の閣僚とともにこの集まりに赴くことで示したと述べました。多くのことが改善に向かうと言明しました。しかし、大事なことは、「民主的解決策」によって今後出てくる法律や、施策です。」

またチャルッシュラル氏によると、エルドアン首相は(会食に参加した)前トルコ・サッカー代表選手のレフテル・キュチュクアンドンヤディスさんと抱擁し、親しく挨拶をしていたという。

■総主教座と隣国ギリシャは満足

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が、(近隣のヘイベリ島の神学校問題が国際問題化しているなかで、ギリシャ系住民の多い)ビュユクアダ島を訪問したこと、バルトロメオス総主教とともに孤児院を見学したこと、そしてアヤ・ヨルギ修道院で再び落ち合ったことは、ファネルのギリシャ正教会総主教座やアテネをとても喜ばさせた。バルトロメオス総主教は、アテネ通信への談話において、「トルコのギリシャ系市民や、総主教座の宗教財団(ワクフ)にとって大きな意味を持つ日となりました」と述べた。孤児院という、重要な宗教施設を訪問した最初のトルコ首相がエルドアン首相であったとするバルトロメオス総主教は、これは首相がイスタンブルにおけるギリシャ系市民の問題の解決のために自ら乗り出すサインであると見なした。バルトロメオス総主教は、「首相の訪問は大きな名誉です。われわれの要望を注意深く聞いてくれました。とても希望をもつことができました」と述べた。

ギリシャのテレビ各局もエルドアン首相の今回の訪問を、「歴史的」であり「とても大きな一歩」と報じた。ギリシャ外務省筋の情報によると、ギリシャ政府も、今回の訪問を、「建設的であり、非常に興味深いこととみている」という。

フェネルのギリシャ正教会総主教座はビュユクアダ島における孤児院に関し、ヨーロッパ人権裁判所に提訴し、勝訴している。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:17203 )