ハマースとファタハの間で逮捕者の釈放をめぐり交渉
2009年07月05日付 al-Hayat 紙

■ ハマース、対話の前に自治政府が逮捕者を釈放し、釈放されない者たちについてはその理由の報告を期待

2009年07月05日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)

【ダマスカス:イブラヒーム・ハミーディー】

 パレスチナの消息筋は昨日、今月25日にカイロでパレスチナ内部対話が再開される前に、エジプト政府高官らとハマース幹部たち及びパレスチナ諸組織の幹部たちの間で会合が行われるだろうとの見通しを示し、本紙に対して「ハマースは対話再開の前に、[ファタハ主体の]自治政府によって逮捕されている者たちの大部分が釈放され、来月初めには残りの15人から20人が釈放されると予測している」と付け加えた。

 カイロでの話し合いの経緯から見て、エジプトから提案がなされた共同委員会の設置については、国際的な合意が必要であり、マフムード・アッバース大統領とハマースの間で各々の事情により完全な合意が成立していないため、今後の話し合いで喫緊の課題となるであろう。

 ムーサー・アブー・マルズーク副政治局長が率いるハマース代表団と、アフマド・クレイウ(通称アブー・アラー)氏が率いるファタハ代表団は、先月末にカイロで、パレスチナ対話の合意に向けた一連の会合を行ってきた。しかし、消息筋が本紙に明らかにしたところでは、根本的な障碍は自治政府が約915人に上る逮捕者の大半の釈放を拒否していることである。ハマースは「逮捕の停止と被拘留者の大半の即時釈放」を求める立場を堅持しているが、ファタハ側は、パレスチナ自治政府にはイスラエルとの「ロードマップに基づく治安維持義務」があり、また「この懸案の解決は分裂状態の終了前ではなく終了後になされるものである」として、釈放を拒否している。ハマースはこれを「釈放を行わないための単なる口実」とみなしており、自治政府高官の一部が「ロードマップによる治安維持義務を口実にしつつ、域内における党派的な理由によってハマース幹部を逮捕している」と指摘している。

 一方、ファタハとハマースの代表団で構成される分科委員会は、15人から20人を除く殆どの逮捕者を釈放し、釈放されない者については和解合意調印に近い時期に、釈放されない理由とイスラエル側からの反対理由について、正式な報告書を提出することをファタハ側が約束するという妥協案に至った。しかし、クレイウ氏はこれについて、ただ補助委員会が作成に漕ぎ着けた内容の情報であるとして拒否した。

(後略)

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:17228 )