モロッコで国王の統治に関する世論調査、国王の仕事ぶりにはおおむね満足、貧困対策と家族法改正は不評、掲載誌は発禁処分に
2009年08月06日付 al-Quds al-Arabi 紙

■モロッコでル・モンド紙が発行停止処分、仏政府が遺憾の意
■ムハンマド6世国王の統治について世論調査した二つの週刊誌、発禁処分を免れず

2009年08月06日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ラバト:マフムード・マアルーフ】

 モロッコでアラビア語とフランス語で発行されている雑誌2誌が、ムハンマド6世国王の統治期間に関する世論調査の結果を掲載した号を発行停止処分とした内務大臣決定を覆す判決を得ることに失敗した。モロッコ当局は同じ世論調査の結果を掲載したフランスのル・モンド紙についても発禁とし、仏外務省が遺憾の意を表明していた。

カサブランカの行政裁判所は火曜日、週刊誌『テル・ケル』と『ニーシャーン』の最新号 を発行禁止とした内務大臣決定の取り消しを求めるテル・ケル・グループの訴えを棄却した。

両週刊誌の記者たちによれば、編集部は世論調査の結果を削除した号を再発行することに決めた。この調査は両週刊誌を発行している企業のために日刊紙ル・モンド紙の協力を得て実施されたもので、ムハンマド・6世国王の実績について1100人のモロッコ国民に意見をきいた結果、91%の国民が満足または大変満足と回答していた。

いくつかのインターネット・サイト上で公開された回答によれば、この91パーセントのうち40%が「大いに肯定的」で、51%が「ある程度肯定的」であった。「ある程度否定的」との回答が6%、「大いに否定的」としたのが2%あった。また49%が「モロッコは民主的な王国だ」と答え、33%が「民主的でない」とみなし、18%が無回答だった。

世論調査は6月27日から7月11日にかけて、“LMS-CSI”研究所の監修により実施され、18歳以上のモロッコ人1108名を対象に、アラビア語で質問が行われた。

またこの調査の結果、国王による貧困対策と家族法改正について、モロッコ国民は留保の姿勢を示していることもわかった。貧困問題に関しては、回答者の37パーセントが「この10年間で状況は改善された」と答えたのに対し、改善していないと答えたのは37%で、24%は「状況は悪化した」と答えた。

一方、この十年間に行われた最大の改革である家族法の改正については、遺産相続を除くあらゆる面でモロッコ女性が男性と同等の権利を得たこの改正が、モロッコ人の支持を得ていないことがわかった。49%が「改正は女性に多くの権利を与えすぎだ」と回答しており、30%が「女性に与えられている権利は十分であり、これ以上は必要ない」と考えている。「女性はより一層の権利を得るべきだ」と考えるものは16%に過ぎなかった。

(後略)

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( 翻訳者:中島希 )
( 記事ID:17245 )