ムバーラク大統領が5年ぶりに訪米、きょうオバマ大統領と会談
2009年08月18日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ ムバーラク大統領とオバマ大統領、帰還権を欠落させた「賢人イニシアティヴ」について協議
■ ムバーラク大統領、ワシントンでシオニスト・ロビーの指導者らと会合
2009年08月18日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ロンドン:ハーリド・アル=シャーミー】
消息筋によると、エジプトのホスニー・ムバーラク大統領とアメリカのバラク・オバマ大統領は今日、ホワイトハウスで会談し、アラブ・イスラエル紛争の解決に向けた「賢人イニシアティヴ」について協議する。同案の骨子は、帰還権の代わりにパレスチナ難民に対して補償を行い、1967年の境界線を修正し、非武装のパレスチナ国家を樹立し、エルサレムをイスラエルと共通の首都とするというものである。
「賢人イニシアティヴ」を提唱したのは、ジミー・カーター元米大統領、ジェイムズ・ベイカー元国務長官、ブレント・スコウクロフト前国家安全保障担当大統領補佐官(フォード政権期およびジョージ・H・W・ブッシュ政権期)である。
5年ぶりの訪米と首脳会談を前にムバーラク大統領は、米国のユダヤ人ロビーの指導者らとヒラリー・クリントン国務長官と会談を行う。
観測筋は、ムバーラク大統領とシオニスト・ロビー指導者らとの会合について、エジプト体制とネタニヤフ政権の関係が「良好」な状態であることを反映するものだと見ている。そうした良好な関係の例として、次の事例が挙げられる。
― エジプト政府は、核軍拡競争を拒否すると公言し、核兵器のない中東を求めているにも拘わらず、初めてイスラエル原子力潜水艦のスエズ運河通航を許可した。
― シモン・ペレス大統領とベンヤミン・ネタニヤフ首相はエジプト7月革命57周年記念にあたって在テルアビブ・エジプト大使館に前例のない訪問を行い、エジプトの役割の重要性を強調した。
― イスラエル政府高官は、エジプト当局がガザ地区との境界線上の地下トンネル多数の閉鎖に成功したことを賞賛した。またエジプト治安機関がカイロでのイスラエル大使暗殺をたびたび阻止し、シナイ半島でイスラエル人観光客襲撃を企てたとエジプト当局が非難する「ヒズブッラー細胞」を摘発したことも賞賛した。
― エジプト国民と政界で広く反対の声が上がっており、活動家らが無効化に向けた法廷闘争を展開しているにも拘わらず、当局はイスラエルへの天然ガス輸出取引契約に調印した。
観測筋は、「拘束されているイスラエル軍兵士ギラード・シャリットとパレスチナ人捕虜1,000人の交換取引を妨害しているのはイスラエル側だ」というエジプトの公式の立場にも拘わらず、エジプト・イスラエル関係は最良の状態にあると見ている。
(後略)
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( 翻訳者:桑山沙央里 )
( 記事ID:17272 )