PLO交渉局長:「イスラエル政府は和平交渉再開を拒否している」
2009年08月23日付 al-Hayat 紙

■ ウライカート氏、「イスラエル政府は到達点から交渉を再開することを拒否した」

2009年08月23日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)

【ラーマッラー:ムハンマド・ユーニス(本紙)】

 パレスチナ解放機構(PLO)のサーイブ・ウライカート交渉局長は昨日、「イスラエル政府が、これまでに合意されている到達点から最終地位交渉を再開することを拒否している」と述べた。日本の山本英明対パレスチナ自治政府代表事務所長代行との会談直後の談話でウライカート氏は、「イスラエルはロードマップの第1段階の結果として生じたあらゆる義務の遂行を拒否している。特に、いわゆる『自然増』を含めた入植活動の停止、2000年9月の状況の回復、東エルサレムで閉鎖されている事務所や機関の開放、西岸地区とガザ地区に対する封鎖の解除、被拘留者の釈放などの義務の履行を拒否している」と述べ、これらの義務に関しては譲歩案などあり得ないと語気を強めた。

 ウライカート氏は本紙に対し、「イスラエル政府は、交渉の再開を拒否しているのはパレスチナ側だと公言しているが、イスラエル側こそ最終地位問題を交渉の対象から除外し、既に合意に至った地点からの交渉再開を拒否している。また、イスラエル政府はロードマップに規定されている諸義務の遂行も拒否しているのである」と述べた。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、和平プロセスにおける政府の基本方針を明らかにする演説の中で、エルサレム問題と難民問題はパレスチナ側との交渉の対象ではないと述べている。またアメリカのジョージ・ミッチェル中東和平特使との会談で、ネタニヤフ首相は入植活動の凍結を拒否している。

 このウライカート氏の談話は、来月の国連総会の際にアメリカのバラク・オバマ大統領がイニシアティブを発表することをパレスチナ側が待望する中で行われた。

 マフムード・アッバース大統領は今月末からアラブ諸国を訪問し、オバマ大統領のイニシアティヴに提示された平和的解決策へのアラブの統一した立場を模索する予定である。

 アッバース大統領の側近らは、「大統領は今回の歴訪で、来るべきアメリカの和平計画におけるアラブ諸国の寄与を実現することに努めるだろう。パレスチナ側にとって受け入れ可能な政治的解決策の最低限の条件は、1967年以来占領下に置かれている土地全体にエルサレムを首都とするパレスチナ独立国家を樹立することと、難民問題の公正な解決である」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:17273 )