イラク内政:選挙に向けた新政治連合
2009年08月25日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ マーリキー不在の「新イラク連合」宣言
■ アル=ジャアファリー、他勢力参加の扉はまだ開いている
2009年08月25日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【バグダード:ハーニー・アーシュール(本紙)】
国民改革潮流リーダー、イブラーヒーム・アル=ジャアファリーは、著名政治家らの参加を得、マーリキー首相並びにダアワ党不在のまま、新イラク連合形成を宣言した。
そのお披露目式で、ジャアファリーは、この連合に対する立場を決めるのにもう少し時間を要するとする諸勢力のため扉はまだ開いていると述べ、アーディル・アブドゥル・マフディ博士は、ダアワ党のプレゼンスが望まれており、そのための対話は継続されていると述べた。それに続き、新連合に参加した政治家らがスピーチを行った。
ジャアファリーの発言は以下の通り。
「新連合のアイデンティティは、過ちに終止符を打ち新たな未来に向かう事にある。」
「本日宣言された政治連合は、主権の実現、法の分離、政権交代、テロ対策、嫌疑確定まで容疑者は無罪とすることにより拘留者問題を解決すること、これらを最大の国民的利益とみなす。」
「新段階のやり方に則り向かうべき個々の目標を定めることにより、これは実現される。新たな任務に意欲的な人々の力にそれはかかっている。」
「ここにいる人々だけが基本的な参加者というわけではない。全ての方面が検討に時間を費やして、この連合への参加を決めてくれるのを、我々は愛情と感謝をもって待っている。」
この宣言に同席した各派代表は次のとおりである。シーア派イスラム最高評議会アーディル・アブドゥルマフディ博士、サドル派のカラール・アル=ハファージー、連帯ブロック代表カーシム・ダーウード、イラクのダアワ党アブドゥルカリーム・アル=アンジー、ナザーハ(清廉)連合ハーシム・アル=ハーシミー、スンニー派代表としてイラク文化運動のシェイフ・ハーリド・アル=ムッラー、アンバール諸部族代表シェイフ・ハミード・アル=ハーイス、モースル諸部族代表シェイフ・ハリール・アル=ジャルバ、ヒズブッラー運動ハッサン・アッサーリー、イラク国民会議アフマド・アル=チャラビー、イスラーム運動組織ジャワード・アル=アッタール他。今回の連合形成にあたり、イスラーム・ダアワ党代表の姿はなかった。
マーリキー首相のダアワ党不在の理由として、サドル派スポークスパーソン、アル=ウバイディーは、新連合内の51議席を法治国家連合が得ることがマーリキー参加の条件であったが、これは新連合の原則に反し、他勢力の合意を得られなかったためと述べた。
情報筋によれば、一週間前マーリキ―首相は、彼の事務局長ターリク・ナジュム博士をシスターニー師の元へ派遣し、新連合内で半数の議席を確保するために尽力してほしいと要請したが、同師はこの件への介入を断った。統一連合については、マーリキー政府との見解の相違を背景として、構成グループが離脱する情勢がこのところ続いていた。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:17277 )