トルコ国軍トップの「クルド問題解決策」論評―戦勝記念週間メッセージ
2009年08月25日付 Hurriyet 紙
参謀総長のバシュブー陸軍大将は、クルド問題に関する活発な議論が交わされている昨今においてトルコ国軍の態度を明確に表した。バシュブー参謀総長は、戦勝記念週間のメッセージで(憲法で謳われる)「トルコ国家は、領土と国民が不可分の一体性をもち、その言語はトルコ語である」と述べた。
イルケル・バシュブー参謀総長が戦勝記念週間メッセージで注意を引いた発言の詳細は、以下のようなものである。
「憲法改正提案さえおこなえない第3条に謳われている通り、『トルコ国家は、領土と国民が不可分の一体性をもち、その言語はトルコ語である』。トルコ国軍は、アタテュルクにより私たちに託され、憲法の第3条においても定義されているように、トルコ共和国の国民国家そして集権国家としての仕組みを堅持する立場に立ち、今後もそうあり続ける。」
■「テロに対する闘争も続ける」と明言
「国家及び国民の一体性の堅持には相応の代償がある。トルコ国軍は、ここに自ら担った歴史的務めと責任を認識している。」
「トルコ国軍は今日まで分離主義的テロ組織との戦いで5003名の死者を出した。憲法及び法律に則り、分離主義的テロ組織に対し、今日まで世界で類例をみない成功を遂げ、自己犠牲をもって進めてきた闘争を、今後も一層確固として継続するであろう。」
■「国家も必要措置をとるべきである」
「トルコ国軍は、分離主義的テロ組織に対する闘いを確固として押し進めている。一方で、国防以外の事柄、すなわち経済、社会文化、外交の分野において国家も必要な措置をとることが重要であると認識している。」
バシュブー参謀総長は、そのメッセージで、トルコ国軍の考え方や態度を再度表明する必要性を感じたと強調した。以下、関連する発言を列挙する。
■トルコ国軍の立場
・(トルコ国家の)国民国家、集権国家としての仕組みに、いかなる理由であれ危害を加えることは認められない。
・文化的多様性に対して敬意を表する。しかしそのことを政治に反映させること、つまり政治的(立場)を表明する手段として使うこと、および社会的・政治的な自立的属性として用いることは、トルコ共和国憲法の枠組み内では不可能である。
・テロ組織及びその支援者と関係を築く可能性のある、いかなる活動も行ってはならない。
・民主主義が供する機会を享受する者、(つまり)各個人が(享受する)もっとも基本的な権利である生存権を脅かすテロ活動に対しては、いかなる理由があっても容赦しえない。
・方法と手続は原則を規定する。その点に従ってすすめられる方法・手続に留意すべきと考える。
・いかなる事柄も議論する自由というものは、国家の存在を危機にさらし、国内を分離・分裂させて、衝突するような状況を作り出す事柄を内包しない(という前提にたつ)必要があると考える。
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( 翻訳者:高岡望結 )
( 記事ID:17282 )