ネタニヤフ首相の「統一エルサレムはイスラエルの永久首都」発言を仏政府が批判
2009年05月23日付 Al-Nahar 紙
■ 仏政府、6月の訪問受入れを前にネタニヤフ首相の「統一エルサレム」に関する発言を批判
2009年05月23日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【AFP、MENA】
仏政府は、6月3日に予定されているイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の訪問を前に、同首相がエルサレムは「イスラエルの統一された永久の首都であり続ける」と再度繰り返した発言について批判した。
ニコラ・サルコジ仏大統領とネタニヤフ首相の会見は、ネタニヤフ氏が2月20日に首相に就任してから初めてである。過去には両者はパリやエルサレムで数回の会見を行っている。
イスラエル首相はデリケートな状況の中で訪問を行うことになる。ネタニヤフ首相が、エルサレムは「イスラエルの永久の首都であり続ける」と述べた発言を、仏政府が声明で批判しているからである。仏外務省のフレデリク・デザニョー報道官補佐は、「イスラエル首相がエルサレムで行った発言は、この都市の最終地位交渉の結果を先取りしようとする行為だ」、「フランスの見解では、エルサレムは交渉による和平合意を経て2国家の首都になるべきである」と述べ、「紛争に歯止めをかけるエルサレムの最終地位について、双方が最終的かつ包括的な合意に達するか否かは両者にかかっている。[フランス]共和国大統領は2008年6月23日のクネセト[=イスラエル国会]での演説において、エルサレムが2国家の首都として承認され、各宗教の聖地への自由なアクセスが保証されなければ、和平を実現することはできないと述べている」と説明した。
エルサレムの帰属問題は取り扱いの最も難しい問題のひとつであり、この問題によってイスラエル・パレスチナ間の和平交渉は難航し、現在は凍結状態にある。
デザニョー報道官補佐は、「パレスチナ人の家屋の破壊やアラブ人街区の変更などの行為は暴力のエスカレートという結果に繋がる。こうした行為は受け入れられず、国際法にも反する」と注意を促した。また、「概してフランスは、東エルサレムも含め、入植が続けられていることを非難している。我々は自然な人口増に伴うものも含めて入植活動の凍結を要求したことを指摘しておく」と言及した。
イスラエル首相は昨日木曜日、エルサレムの占領および東半分の併合から42周年記念に際し、この都市が「永続的にイスラエルの統一された首都であり続けるだろう」と再び発言していた。
■ 活動家2人を殺害
現地では朝、ガザ地区南部のカラム・アブー・サーリム([イスラエル名]ケレム・シャローム)通行所の近くでパレスチナ人活動家2人がイスラエル軍の銃撃により殺害された。
救護・緊急事態局局長であるムアーウィヤ・ハサナイン医師は、「犠牲になったヤースィーン・ジャースィル(18才)とアブドゥルマジード・サーリフ(18才)の遺体を回収した。2人は占領軍の銃撃の犠牲になった」と述べた。
目撃者は、「朝、激しい銃撃が起こり、イスラエル軍戦車が何メートルか侵入し、その場で犠牲者2人が倒れた」と語った。
イスラエル軍の関係者は、ガザ地区の境界でパレスチナ人活動家2人が攻撃実行の準備をしていたところを殺害されたと説明し、彼らが爆発物を所持していたと述べた。
「イスラーム聖戦」運動の武装部門「エルサレム部隊」が作戦行動の実行声明を発表し、2人の活動家を追悼した。
ガザ地区南部の国境の町ラファハのトンネルのひとつでは朝、感電したパレスチナ人1人が亡くなった。
■ ヨルダン川西岸ではデモ
ヨルダン川西岸の占領地では、イスラエルが建設中の分離壁に反対する2つのデモに参加したパレスチナ人10人が負傷した。
ラーマッラー西部のナアリーン村ではデモ参加者5人が負傷し、うち1人は脚に銃弾を受け、別の1人は催涙ガス弾を頭部に受けた。隣接するビルイーン村でも、汚物を浴びせたデモ参加者らに向けてイスラエルの国境警備隊がゴム弾や催涙ガス弾を発射した際、デモ参加者5人が軽傷を負った。
パレスチナ人やイスラエル人・外国人の平和運動家は毎週金曜日にこの2つの村でデモを行っており、イスラエルの分離壁に対するパレスチナの闘争の象徴となっている。
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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:17305 )