イラクが自爆攻撃者の引き渡しをシリアに要求し両国が対立
2009年08月28日付 al-Hayat 紙
■ イラク、シリアとの対立の国際化を示唆
2009年08月28日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP1面
【バグダード:ムシュリク・アッバース】
イラクは昨日、シリアとの対立の国際問題化に向けて努力することを強調した。国際社会に対して、「近隣諸国からの犯罪を阻止するために」支援を求め、「シリア政府がイラクとの良好な関係を望むのであれば、水曜日の攻撃の首謀者ら」をイラクに引き渡すことを条件として提示した。
一方、イラク国民は今日、国民から政府関係者まで幅広い参加のもと、イスラーム最高評議会議長のアブドゥルアズィーズ・アル=ハキーム師の葬儀に参列した。議長の息子であるアンマール氏は、指導者の地位の後継に最初の支援をイランのアリー・ラリジャーニー国会議長から受けた。ラリジャーニー議長はアンマール氏を称賛し、彼が父親の道を「より力強く」成し遂げ、「我々の兄弟(アンマール)がイラク社会において、より効果的な役割を担う」ことを願っていると述べた。
イラク政府のアリー・アル=ダッバーグ報道官はAFP通信に対し、「イラクは『指名手配者』のリストを安全保障委員会の会合で幾度もシリア側に渡したが、彼らは回答を誤魔化している」と述べ、「今後イラクは如何なる引き延ばし工作も受け入れない」、「シリアがイラクとの良好な関係を望んでいるのであれば犯人の身柄を引き渡すよう、我々は国連や二国間関係を通して求めてゆく」と述べた。また、「両国の関係は岐路にさしかかっている。シリア政府はイラクとの良好な関係か、それともイラクを標的とする者たちの保護か、どちらかを選ばねばならない」と強調した。
イラク当局は8月23日、バアス党ムハンマド・ユーニス・アル=アフマド派の有力幹部が関与を認める発言をしている映像を公開した。その中で同幹部は、シリア在住の党幹部サッターム・ファルハーンの要請により、イラク外務省と財務省を標的とした自爆攻撃に関与したことを認めている。またマーリキー首相に近い「アル=バヤーン」紙は火曜日、ダマスカス在住のイラク・バアス党員が計画した内容についてシリア情報機関が知らないという可能性は低いと述べている。
ダッバーグ報道官は「イラクは、隣国シリアとの戦略的協定締結を提案した。この協定はシリア政府に対し、同国内の容疑者とテロ組織の追放を義務付けるものである」と明らかにし、「しかしシリア側は提案を拒否した」と述べた。
またダッバーグ報道官は、「イラクは現在、犯罪や集団殺戮が地域内の国を拠点にして行われていることや、国際社会はこれらの犯罪を阻止すべくイラクを支援せねばならないということを世界に伝えるため、国際社会に働きかけている」と述べた。
こうした非難に対してシリア側は声明を発表し、イラク側代表団から攻撃の実行者に関する証拠を受け取る用意があると述べ、イラク側が証拠を引き渡さない場合、イラクの報道機関が伝えている情報は国内における政治的目的のために「でっち上げられた情報」だとみなす、との立場を示した。
(後略)
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( 翻訳者:青山沙枝 )
( 記事ID:17340 )